2019年7月21日(日)

グーグル仕掛けるメーカーの終焉、欲しいスマホは自作

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2014/7/7 7:00
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日経エレクトロニクス

Android(アンドロイド)の開発でスマートフォン(スマホ)の普及に貢献してきた米Google(グーグル)が、既存のスマホ業界を激変させる可能性を持つ、野心的なプロジェクトを立ち上げた。あたかもLEGO(レゴ)ブロックのように部品を組み替えて、所望のスマホを実現する「Project Ara(プロジェクト・アラ)」」だ。このプロジェクトが成功すれば、自分好みのスマホをすぐに手に入れられるようになるばかりか、端末メーカーや通信事業者が中心だったスマホ業界の生態系が一変する。

スマートフォン(スマホ)メーカーの存在意義を消す――。そんな大胆な計画が出現した。米グーグル(Google)が2014年4月に公表した「Project Ara」だ。

Project Araは、ブロックのようにモジュール(装置を構成する機能を持つ部品の集まり)を組み替えて所望のスマホを実現することを目指すプロジェクト。プロセッサーやストレージ、センサー、無線通信、2次電池(バッテリー)など、スマホの構成要素を「モジュール」として分解することで実現する。

「endoskeleton(エンドスケルトン)」と呼ばれる枠付きのきょう体にモジュールを装着してスマホを完成させる(図1)。しかも、ユーザーはモジュールを用途や状況に応じて自由に交換できる。例えば、出張の日はバッテリーモジュールを2個装着したり、旅行の日は高性能なカメラモジュールを装着したり、といった具合だ。

図1 Project Araの登場で、スマホの構成要素がモジュールとして分解され、複数のアプリと各モジュールという組み合わせになる。多くの企業がさまざまなモジュールを作るので、Project Araの世界が広がれば、スマホの種類はほぼ無限になる。これはスマホメーカーの

図1 Project Araの登場で、スマホの構成要素がモジュールとして分解され、複数のアプリと各モジュールという組み合わせになる。多くの企業がさまざまなモジュールを作るので、Project Araの世界が広がれば、スマホの種類はほぼ無限になる。これはスマホメーカーの"死"を意味する

これまでのスマホでは、メーカーや通信事業者が搭載すべき機能を定義し、これを製品に仕立ててユーザーに提供してきた。Project Araでは、この機能の選択権がユーザーに委ねられる。つまり、既存のスマホのハードウエアビジネスを取り巻く環境を一変させる可能性を秘める。

■欲しいときに欲しい機能

グーグルがProject Araを立ち上げた狙いは、大きく2つに集約される。1つは、ハードウエア開発の速度や効率をソフトウエア並みに向上させること。これにより、「ユーザーは、新技術を早期に利用できる」(Project Araを担当するGoogle Advanced Technology and Projects(ATAP)部門でDeputyを務めるKaigham J.Gabriel氏)。

これまで、ユーザーがスマホ向けに開発された新技術を利用するには、スマホをまるごと買い替える必要があった。通信事業者との契約もからむので、スマホを買い替える期間は、おおむね2年が当たり前だった。ところが、モジュール単位で機能を追加・変更できるProject Araであれば、ユーザーが欲しいと思ったときに、スマホに新技術をすぐに適用できる。

もう1つの狙いは、世界のすみずみまでインターネット端末を行き渡らせるようにすること。ネット広告事業を屋台骨とするグーグルにとって、インターネットの利用者が増えるほど、広告事業が伸びるからだ。

■50ドル以下の無線LANスマホ実現へ

これらの目的を達するため、Project Araで考えだしたのが、1000を超える多数のモジュールメーカーの参加を促すことである。参入企業を増やすことによる競争原理で、モジュールの単価を下げ、安価なスマホを実現し、誰でもスマホを手に入れられるようにする。

目指すのは、100米ドル以下のスマホだ。まずは移動通信機能を省いた、50米ドル以下の無線LANモデルの実現を狙う。

価格を下げるだけでなく、さまざまな特徴を備えたスマホを実現し、世界中の人々のそれぞれの要求や趣味・趣向に合ったスマホを提供できる枠組みを準備する狙いもある。

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