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永田町アンプラグド 「野田VS小沢」政治生命かける2週間

永田町アンプラグド

政局は6月に大きく動く。ここ2年は2人の首相が退陣を表明し、1993年は永久与党だった自民党が野党に転落した。その3度とも主役を担った民主党の小沢一郎元代表は今回も表舞台に登場してきた。党分裂を辞さない姿勢を示してカメラの前で自らの所信を説明し、奪権を図る――。倒閣へカジを切った元代表と、消費増税関連法案の成立に政治生命をかける首相に残る時間は、2週間と少ししかない。

民主党の小沢元代表との会談を終え記者の質問に答える野田首相(30日午後、首相官邸)

野田佳彦首相と元代表の消費増税をめぐる30日の会談は大方の予想通り、物別れに終わった。自民党の谷垣禎一総裁とのトップ会談ではなく、代表経験者とはいえ、いまはいち党員にすぎない元代表との党内会談を焦点にしてしまったこと自体が、首相官邸サイドにとっては痛い。

党本部まで首相が出向き、輿石東幹事長が仲介役として同席する形をとったのも、元代表のペースに引き込まれている。小沢元代表は重要な会談の際には自らの意向を代弁してくれる第三者を同席させるのを常としてきた。鳩山由紀夫元首相に退陣を迫った際も、輿石氏が横にいた。

会談が終わると直ちに記者団の前へ姿を現し、自らの事情を説明するのも常とう手段だ。30日の夜にはNHK番組に出演する。ネットメディアへの露出を主にしてきたが、あらゆる機会をとらえて自らの所信を説明する意向だ、と周辺は明かす。元代表との情報戦に負けじとばかりに、ふだんは記者団の質問に応じない首相も直ちに取材に答えた。双方、総力をあげての情報戦だ。

 だが、元代表が積極的に出てくるのは、劣勢の裏返しにほかならない。

自民党竹下派の分裂、政治改革騒動、小渕恵三元首相との連立解消と、苦境になればなるほど自らの正当性を訴えてきた前例をみれば、元代表も苦しい立場にある。

野田首相との会談を終え、記者の質問に答える小沢民主党元代表(30日午後、東京・永田町)

6月21日の会期末までに元代表は何を狙うのか。首相との再会談について元代表は「代表から呼ばれれば、党員として行かなければならない」と応じる考えを示した。元代表のペースにはまることを警戒する首相周辺や反小沢系では「会談は1回きりにすべきだ」との声が強い。党が分裂するか否かは、首相の判断にかかっている、との理屈だ。

小沢元代表の離反が衆院解散・総選挙につながることを危惧する民主党内には「分裂は避けるべきだ」「時間をかけて話し合いを」との空気が潜在する。時間がたてば「小沢切り」を求める自民党がしびれを切らし、内閣不信任決議案を提出する可能性もある。不信任案に同調する構えも示唆し、採決前に首相を退陣へ追い込むのが「小沢のメーンシナリオだろう」と古くから元代表を知る野党幹部は語る。

このシナリオは首相が再会談を拒否し、元代表との決別に進めば崩れる。19年前、同じような状況になった時は野党とのパイプがきいた。今回はそれがない。

消費増税にとって本来の重大局面は「自民党と合意できるかどうか」なのに、党内のごたごたに時間を費やせば、自民党が野田官邸に見切りをつけ、会期延長には反対する公算が大きい。とすれば、6月15日ごろまでがタイムリミットになる。小沢元代表との再会談を「もう1回、反すうしながら考える」時間は、それほど残っていない。

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