2019年9月19日(木)

なぜ挫折する? 導入企業の心得 ビジネスツイッター総点検!(4)

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2010/5/6 9:00
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 国内では企業が組織的に取り組む事例はまだ少ない「Twitter(ツイッター)」だが、担当者レベルとなると話は別。中小規模の企業を中心に、ツイッターの話題性と費用対効果に着目した経営者が興味を示し、「何かできるだろう」と現場に活用を促す例が目立ち始めた。ところが、企業アカウントを開設してもすぐに運用を止めてしまう例も後を絶たない。

写真1 ツイッター社のウェブサイト(www.twitter.com)内にある「twinavi(ついなび)」のページ画面  ツイッター社が指定した条件を満たす企業アカウントの一覧表が掲載されている。

写真1 ツイッター社のウェブサイト(www.twitter.com)内にある「twinavi(ついなび)」のページ画面  ツイッター社が指定した条件を満たす企業アカウントの一覧表が掲載されている。

ツイッターのアカウント(自分専用のIDとページ)を開設する手間は、個人も企業も変わらない。公式ウェブサイト(http://twitter.com/)を訪ね、所定の手順に従って企業名やプロフィールなどを入力するだけ。10分もあれば済む。さらに、第三者による「なりすまし」対策を施すのも簡単だ。同サイト内にある「twinavi(ついなび)」ページで指定された情報を入力すればいい。審査に受かれば2~3週間後にはtwinaviで紹介される(写真1)。

こうした開設の手軽さに加え、話題性も高いため、社長など経営幹部が「うちの会社でも何かできるだろう」と現場に指示を出すケースが増えている。ところが、社長は意欲的でも、現場は「何をしたらいいのだろう」と戸惑いがちだ。企業の代表者として自分の発言に責任を持てる経営者とは違って、現場は何をどの程度まで発言していいかが分からない。

実は本連載の第1回と第2回で紹介した国内成功事例の多くは、まだ例外的な存在なのだ。現実には多くの企業の現場担当者が、カトキチ(現・テーブルマーク)のコーポレートコミュニケーション部長の活躍ぶりに感心はするものの、「うちの会社にあんな個性的な人材はいない」と腰が引けている。より多くの企業がツイッターをマーケティングツールとして継続的に活用したいなら、属人性を減らす工夫が必要になる。

「属人性」を減らすために、目標を明確化させる

ツイッターの活用を始めるにあたり、見落としがちな作業が「目標設定」である。「流行っているツールだから」と安易に踊らされず、目的ありきで取り組むべきだ。目的が曖昧(あいまい)なままアカウントの運用を始めると、「つぶやく内容がない」「運用の負荷が大きすぎる」「フォロワーが増えない」「コミュニケーションの取り方が分からない」「最適な担当部署が分からない」「効果が見えない」などの悩みにさいなまれる。

表1 フォロワー数が1700以上のアカウントを運営する会社を中心に、「企業アカウントの開設・運用の目的」を聞いた  日経ネットマーケティング編集部が2010年3月28日~4月9日に調査。複数回答可。回答数は79社。

表1 フォロワー数が1700以上のアカウントを運営する会社を中心に、「企業アカウントの開設・運用の目的」を聞いた  日経ネットマーケティング編集部が2010年3月28日~4月9日に調査。複数回答可。回答数は79社。

そもそも目標を設定する前に、ツイッターの世界をじっくりと観察しておいたほうがいい。自社名や商品名、関連キーワードでツイッター上を検索し、自社に関係しそうなつぶやきのトレンドを把握しておくのだ。そうすれば、目標と戦術を立てやすくなる。

ここに、日経ネットマーケティング編集部が2010年3月28日~4月9日に実施したアンケート調査の資料がある。フォロワー数が1700を超すアカウントを運用中の企業を中心に調査依頼をかけたものだ。79社から「企業アカウントの開設・運用の目的」などを聞くことができた(複数回答可、表1)。

開設・運用目的のトップは「自社商品・サービスに関する情報提供」(79.7%の企業が回答)。以下、「自社の認知度、ブランドイメージの向上」(75.9%)、「自社サイトへの誘導、アクセス増」(65.8%)、「ツイッターユーザーの声の収集」(63.3%)、「実験的に開設してマーケティングの可能性を探る」(57.0%)、「自社商品やサービスの販売」(48.1%)、「自社店舗への誘導」(44.3%)と続く。

ツイッターの活用を始めると、「フォロワー数を増やさなければいけない」という雰囲気が社内に醸成されがち。だが、アカウントの開設目的さえしっかりと定まっていれば、フォロワー数の伸びについて担当者が無駄に悩まずに済む。他社とフォロワー数を競うのは無意味だ。

写真2 日本IBMのWebサイト上には、製品別の顧客サポートを担うツイッター・アカウントを紹介するページがある

写真2 日本IBMのWebサイト上には、製品別の顧客サポートを担うツイッター・アカウントを紹介するページがある

写真3 ユニクロのツイッター・アカウント(http://twitter.com/Uniqlo_JP)は、セール情報を一方的に流す販売促進型  ユニクロのツイッター担当者と顧客の間のやり取りは見られず、フォローするアカウントは英国支社だけ。

写真3 ユニクロのツイッター・アカウント(http://twitter.com/Uniqlo_JP)は、セール情報を一方的に流す販売促進型  ユニクロのツイッター担当者と顧客の間のやり取りは見られず、フォローするアカウントは英国支社だけ。


日本IBMのウェブサイトを訪問すると、製品別にツイッターアカウントが多数開設されていることが分かる。大半はフォロワー数が200~300にとどまるが、法人顧客とのコミュニケーションを重視するなら十分な数だろう(写真2)。これに対し、ファーストリテイリングの「ユニクロ」のアカウントはフォロワー数が4万を超すが、セール情報を一方的に流す販売促進ツールとして活用しているだけなので、運用の手間はさほど大きくないとみられる(写真3)。

つまり、企業はまず目的を定め、それに合ったアカウント運用体制を敷き、無理のない数のフォロワーと付き合うべきである。目的が明確なら、つぶやく内容、つぶやく頻度、ターゲット層、フォロワーからのつぶやきにどう返信すべきか、などもある程度まで決まる。例えば、潜在顧客を開拓したいのに宣伝口調で返信して逃げられる、といったリスクを回避できるだろう。

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