2019年4月22日(月)

まんべくん騒動にみる「炎上マーケティング」の教訓
ブロガー 藤代 裕之

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2011/9/1 7:00
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「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです。ありがとうございました」。北海道長万部町のイメージキャラクター(いわゆる、ゆるキャラ)「まんべくん」による8月14日のツイッター発言(ツイート)をきっかけに、早くも2日後にはアカウント中止に追い込まれた「まんべくん騒動」。以前から「毒舌」で話題になり9万人を超えるフォロワーを集めていたが、戦争に関するツイートがネットで広がると町への抗議があり、報道によって騒ぎは全国に知られてしまった。

まんべくんのサイトから(現在は閉鎖されている)

まんべくんのサイトから(現在は閉鎖されている)

長万部町は町長名でお詫びをホームページに掲載。観光協会のブログにもお詫びが掲載された(現在は削除)。まんべくんのサイトは閉鎖されたが、町のホームページのあちこちにキャラクターは残る。9万人を超えるフォロワーは奈良県のゆるキャラ「せんとくん」のツイッターの3倍。知名度の高いゆるキャラをプロモーションに利用してきた痕跡は、簡単に消し去ることはできない。

ネガティブに注目される結果となったまんべくんだが、ソーシャルメディアを使ったプロモーションに取り組む自治体や企業にとっても多くの学ぶべき点がある。

■ツイッターで大ブレイク、イベントや女性誌にも登場

まんべくんは、2003年に「長万部町開礎130年町制施行60年」の記念事業でのキャラクター公募がきっかけで誕生した。長万部の名産品がキャラクターに組み込まれ、髪はアイリスの花、耳はホタテ、体はカニという不思議なスタイルで、実は最初から人気があったわけではなかった。

ブレイクのきっかけはツイッターだった。10年に長万部生まれのウェブ制作会社の男性がプロモーションを請け負い、10月中旬にツイッターを始めた。半年で1300フォロワーを集め、11月には北海道新聞の夕刊に早くも紹介された。11年にはまんべくん宛てに年賀状が300通、バレンタインのチョコレートが88個届いたという。その後もネットニュース、テレビやラジオ、各種イベントに出演。長万部の一日消防署長や駅長になる。女性誌にまで登場するようになった。

長万部町の人口は約6000人。駅弁ファンなら「かにめし」を知っているかもしれないが、これといった観光資源に恵まれているわけではなく、ゆるキャラが全国区の人気となっていくのは朗報であったに違いない。

■自ら「火」をつけて急速に有名になったが・・・

ツイッターでの人気の秘訣は「毒舌」。さまざまな方面に突っ込みを入れるため「あんまり反感を買うと長万部のイメージも悪くなる」といった意見もあった。掲示板「2ちゃんねる」のユーザーに対して「全力でこい」と対立姿勢を見せたこともある。ネット上でのコミュニケーションだけでなく、町長にチョップしたり、一緒に毛布に入ったりする写真までネットで出回った。

発言に対して謝罪することもあったが、トーンが弱まることはなく、次第に過激になる。戦争に関する発言後も「炎上の後のペプシネックスは格別だよーッ!(((^-^)))」とツイートしていたほどだ。

このようなトラブルが予想される話題に踏み込んだり、絡んだりして話題を広げることを「炎上マーケティング」と呼ぶ。自ら「火」をつけて話題をつくりだす。確かにフォロワー数は増えたが、危険な方法であることは今回の騒動を見ても分かる。だが、普通では有名にはならないという面もある。特色のない地方のゆるキャラが話題になるのは簡単ではない。なにせ、ゆるキャラが多過ぎるのだ。

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