2019年9月18日(水)

「エネファームで光熱費かさむ」とガス会社を提訴

2014/7/1付
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エネファーム設置後にガス代が大幅に増えた、パンフレットに虚偽の記載があった──。東邦ガス(名古屋市)からエネファームを購入してガスの契約を結んでいた愛知県在住の5人は2014年5月、同社に不法行為があったとして名古屋地方裁判所に提訴した。5人の設置費用に相当する約1300万円の損害賠償を求めて係争中だ。

エネファームとは都市ガスを使って発電し、その際に発生する熱を給湯や暖房に利用するシステム。燃料電池と貯湯タンク、バックアップ給湯器から成る。発電した電気は家庭内で利用するほか、ヒーターに通電して給湯にも使う。

原告は2011年にエネファームをそれぞれ約210万~280万円掛けて既存住宅に設置。東邦ガスは光熱費が年間約4万5000~5万5000円減るとするグラフをパンフレットに載せていたが、実際には冬季を中心にガス代が大幅にかさんだ。原告Aさんの年間のガス代は設置後に10万9371円増え、電気代と合わせた光熱費は3万7896円増えた。原告Bさんの年間のガス代は7万1665円増え、光熱費は923円増えた。他の3人もガス代が増えたと主張する。記録を残していなかったので、東邦ガスに開示請求している。

Bさんは2013年1月にエネファームを停止しバックアップ給湯器だけ利用している。エネファーム運転中のガスの年間使用量は設置前と比べて843立方メートル増えたのに対し、エネファーム停止中の年間使用量は設置前と比べて170立方メートル増えただけだ。「運転中と停止中の差の673立方メートル分をエネファームが消費した。エコロジーな設備とは言いがたい」と弁護士の西野さんは指摘する(資料:弁護士の西野泰夫氏)

Bさんは2013年1月にエネファームを停止しバックアップ給湯器だけ利用している。エネファーム運転中のガスの年間使用量は設置前と比べて843立方メートル増えたのに対し、エネファーム停止中の年間使用量は設置前と比べて170立方メートル増えただけだ。「運転中と停止中の差の673立方メートル分をエネファームが消費した。エコロジーな設備とは言いがたい」と弁護士の西野さんは指摘する(資料:弁護士の西野泰夫氏)

■床暖房用の給湯はエネファームが作らない

訴状によると、エネファームに付属するバックアップ給湯器が冬季のガス代増の原因だ。バックアップ給湯器はエネファームでつくる温水が足りない場合の補充、貯湯タンクの加温のほか、床暖房に使われる。

だが、東邦ガスのパンフレットには「エネファームが発電しているときにできたお湯を床暖房に使っていると思うと、気兼ねなく使える」などと書かれていた。原告が「虚偽の記載」と強く訴えるのはこの点だ。

訴状によると、原告5人を含むエネファーム購入者9人は2012年4月、東邦ガスに対して光熱費が増えたという苦情を訴えた。原告以外の4人は、販売代理店の説明が事実と異なっており東邦ガスに責任はないとする同社の主張に同意し、それぞれ約150万円受け取って示談とした。原告5人は示談に応じず提訴に踏み切った。

原告側代理人を務める名古屋中央法律事務所の弁護士、西野泰夫氏は、「原告は東邦ガスのパンフレットの説明を信じた。冬に光熱費が著しく増加することや、バックアップ給湯器で床暖房の温水を賄っていることが分かっていたら、200万円以上も掛けて設置しなかった」と話す。

東邦ガスは「訴状が届いておらず内容が分からないので答えられない」としている。

(日経ホームビルダー 荒川尚美)

[ケンプラッツ 2014年6月30日掲載]

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