災害ロボット熱戦 「ウッドストック」に見た夢と現実

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2014/1/1 7:00
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2013年12月下旬、米南部フロリダ州で災害救援ロボットの競技会が開かれた。主催したのは米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)。人間が近づけないような厳しい災害現場で活動できるロボットの開発を促すのが目的だ。米グーグルや米アマゾン・ドット・コムの相次ぐ企業買収で、ロボット業界への関心が高まる中で開催された競技会の現場から見えてきたものは何か。

昨年12月の競技会でドリルを使って壁に穴を開けるチーム・タータン・レスキュー(米カーネギーメロン大)のロボット

昨年12月の競技会でドリルを使って壁に穴を開けるチーム・タータン・レスキュー(米カーネギーメロン大)のロボット

■東大発ロボットVBも参加

「Ladies and gentlemen, start your robots!」

12月20日午前7時。DARPAのプログラム・マネジャー、ギル・プラット氏が開会を宣言すると、会場となったマイアミ近郊のサーキットに歓声がこだました。競技会に参加したのは米マサチューセッツ工科大学(MIT)や米航空宇宙局(NASA)、韓国科学技術院(KAIST)など4カ国の計16チーム。9チームがハードとソフトを一体開発した独自ロボットで出場。7チームが米ロボットメーカー、ボストン・ダイナミクスが提供したヒト型ロボット「アトラス」に独自のソフトを搭載して出場した。日本からは米グーグルによる買収が最近明らかになった東大発ロボットベンチャーのSCHAFT(シャフト)が独自のロボットで参加した。

DARPAは04年と05年に無人で走行するロボット自動車のレースを主催したことがあるが、災害救援ロボットの競技会は初めての試み。優勝賞金200万ドル(約2億1000万円)を含め、総額8000万ドル(約84億円)という予算規模に、DARPAの意気込みがうかがえる。

福島第1原発事故がきっかけだったと話すDARPAのギル・プラット氏

福島第1原発事故がきっかけだったと話すDARPAのギル・プラット氏

なぜ、災害救援ロボットなのか。競技会の責任者であるプラット氏は「福島第1原子力発電所の事故がきっかけだった」と話す。11年3月の事故直後、プラット氏は過去に開発を支援したロボットメーカーや専門家と連携。すぐに現地にロボットを送り込んだが、被害の拡大を食い止めることができなかった。この教訓から、災害が起きている最中に現場に入って人間の代わりに活動できるロボットの開発を後押しするプロジェクトを立ち上げたという。

14年12月に開く決勝大会の予選という位置づけの今大会では、(1)車の運転(2)悪路歩行(3)ハシゴのぼり(4)がれき除去(5)ドアを開ける(6)ドリルで壁に穴を空ける(7)バルブを閉める(8)ホースを消火栓にとりつける――の8つの課題が与えられた。1つの課題で獲得できるポイントは4点で、32点が満点だ。プラット氏は開会前、「16点とれるチームがあれば上出来」と話していたが、ふたを開けてみれば予選を通過した8チーム中、上位4チームが16点以上を獲得した。

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