新会社LINE発足 会社分割に隠された深謀遠慮
「すべてを壊して、イチからやる」

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2013/3/31 7:00
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LINE事業を統括する執行役員の舛田淳は、こう補足する。

「こんなに早くプラットフォームとしてのLINEが拡大し、成長するとは、誰も思っていなかったというのが正直なところ。LINEと連携したゲームも、こんなに早く世界で何番目、という順位に入れたのは奇跡的。こうした変化を踏まえ、(分社化の)判断も早くした」

プラットフォームとしてのLINEの発展を優先した結果の分社化。それは、社内のゲーム事業部門はもちろん、ゲーム自体を優遇する気はない、という意思表示でもある。

■「僕たちは社会のインフラになりたい」

「LINE」の利用者数が1億人を突破し、握手するNHNジャパンの森川社長(左)と舛田執行役員(1月18日午後、東京都渋谷区)

「LINE」の利用者数が1億人を突破し、握手するNHNジャパンの森川社長(左)と舛田執行役員(1月18日午後、東京都渋谷区)

ウェブサービス、特にモバイル向けの収益化は難しい。手っ取り早いのが、ソーシャルゲームのアイテム課金。最初はSNS(交流サイト)を標榜しながら、結局、ゲームサイトに落ち着くパターンが多い。

大ヒットしているLINE連携ゲームも、LINEの友人とスコアを競ったり、アイテムを互いにプレゼントしたりする点でソーシャルゲームといえ、ゲームを有利に進めるための課金アイテムが収益源となっている。無料通話やスタンプをまき餌にソーシャルゲームで刈り取る構図。LINEもゲームコミュニティーと化すのか。森川はこれを明確に否定する。

「単にお金をもうけるためであれば、まあ、そういう方向になりますよね。でも僕たちは社会のインフラになりたい。それを世界に展開していきたい。そして、インフラの責任を果たすことをビジョンとしている。責任を果たしながら、ちゃんと収益モデルを作ることが社会貢献。そこはがんばって試行錯誤しているところで、ゲームは収益化策の1つにすぎない」

「企業は社会的責任を果たさないと長期的には生き残れないと思うんですよ。例えばタブロイド紙のようなものをやれば、刺激が強くて人気が出るかもしれないですけれども、それはメディアとしての社会的責任を果たすことにはならない。僕たちも、コンテンツの1つとしてゲームもやるけれど、そこに集中することはない、ということですね」

■「ゲームが中心のSNSは社会のインフラになり得ない」

言葉を継いだ舛田の補足は、さらに明確だ。

「我々自身がいつもプラットフォームとしてバランスをとろうとしている。ゲームが中心のSNSは、どうやっても社会のインフラにはなり得ないということは、我々も端(はな)からわかってる。新しいテレビCMを年明けから放映していますが、そこでは改めて、LINEはコミュニケーションツールです、人はつながって生きているんです、と訴求している。それは、裏返せば、僕たちはゲームには行かないぞ、僕たちは違うんです、という意思表明なんです」

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