新会社LINE発足 会社分割に隠された深謀遠慮
「すべてを壊して、イチからやる」

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2013/3/31 7:00
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「当初は、LINEとゲーム事業を一緒にすることで、それぞれ一緒に伸ばしていけるかなという期待があった。ただ、あまりにLINEが成長しすぎたんですね。LINEがコミュニケーションのプラットフォームとして展開し始めた結果、矛盾が生じてきた。それぞれ、戦略的に目指す方向が変わったということで、自由にやるために別々になりましょうということですね」

LINEとゲーム事業が一緒になり大きな成果を出した一方で、矛盾が生じた――。いったい、どういうことか。森川は続ける。

■プラットフォームの覚悟、「社内だろうと優遇しない」

NHNジャパンの森川社長

NHNジャパンの森川社長

「今はプラットフォームとして競争力を持たなければならないというフェーズ。プラットフォームとして外部のゲーム会社さんと平等に付き合いながら、自社タイトルも、となると、どうしても矛盾が生じてしまう。例えば小売りでも、ほかのブランドも幅広く取りそろえながら自社ブランドも売りたいとなった時、やっぱり中途半端になっちゃうんですよね。LINEとゲーム事業部門の関係も、実際にそういうことがあった」

「どうしても社内で"うまく"やろうとするけれども、それじゃあいけない。LINEとしては社内に引きずられることなく、わりとクールに判断していかなければならない。そういうフェーズに、早いタイミングで変わった、ということです」

一方、NHNのゲーム事業部門も、「LINEが優遇してくれないのであれば、こっちにも考えがある」となる。実際、これまでNHNのゲーム事業部門はリソースをLINE連携ゲームに集中させてきたが、今後はLINEにこだわらず、幅広いプラットフォーム向けに展開した方が成長できる、という考え方に変わりつつあるという。森川はいう。

「ゲーム事業の新会社は、必ずしもLINE連携のゲームにはこだわらない。プラットフォームの種類にこだわらず、ゲームソフト会社としてやっていこうと。LINE以外にもいろんなところに出すことで、もっと売り上げが上がるかな、という期待もあります」

■ゲーム事業部門はスタジオ化、「LINEにこだわらない」

ゲーム事業の新会社は、内部の「スタジオ」化を進めている。数十のユニットに組織を分け、それぞれに好きなことをやらせて競わせる方針だ。どのプラットフォーム向けのゲームとするかはスタジオのトップに任せるという。「新会社が単にスマホ向けのゲームアプリを出したり、モバゲーやGREE向けのゲームを開発したりすることもあり得るのか」と聞くと、森川はこう答えた。

「恐らく何らかの動きはあるでしょうね。まずは面白いものを作りたい、という気持ちが大事なので、スタジオのトップがそこまで判断できるよう、かなりの自由度を持たせる予定です」。なれ合いの時期は終わった。同一資本の傘下という「呪縛」で自縄自縛に陥らず、自分の事業のことだけを考え、ともに成長してほしい。だから会社分割を決めた、という論理だ。

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