2018年1月23日(火)

新会社LINE発足 会社分割に隠された深謀遠慮
「すべてを壊して、イチからやる」

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2013/3/31 7:00
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 4月1日、世界で1億人以上の利用者を抱える無料通話・メッセージアプリ「LINE」の運営会社、NHN Japanが会社分割し、LINEという新会社が発足する。NHNのゲーム事業は別の新会社に移管する。会社分割の狙いは事業領域を明確にし、対外的に「何の会社か」を分かりやすくすることにとどまらない。激しい変化の荒波に耐え、グローバル展開を成功させるために必要な深謀遠慮が隠されている。真の狙いを新会社の首脳が語った。

 4月1日、NHN Japanは、LINE事業はじめ「NAVERまとめ」や「livedoor」といったウェブサービスを担うLINE株式会社と、ゲーム事業会社(社名は4月1日発表)に分割される。2社とも、NHN本社が入る東京・渋谷の複合ビル「ヒカリエ」に引き続きとどまるが、社員証は別々になる。

 NHN Japanは昨年1月に韓国ネット大手、NHN傘下の日本法人3会社が経営統合して発足したばかり。LINEなどを運営する旧ネイバージャパン、「ハンゲーム」などのゲーム事業を担う旧NHN Japan、そして、2010年4月に韓国NHNが買収したポータル事業の旧ライブドアが同じ会社となり、商号はNHN Japanが引き継いだ。

■「LINE POP」「LINEバブル」が大ブレーク

スマホ向けゲーム「LINE POP」。公開から約2カ月で2000万ダウンロードを突破した

スマホ向けゲーム「LINE POP」。公開から約2カ月で2000万ダウンロードを突破した

 韓国NHN傘下の3社が経営統合した狙いは、同一資本の傘下で分散したネット事業を集約し、相乗効果を出すことだった。特にゲーム事業は、国内ではディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーに押されており、成長が著しかったLINE事業と組むことでドライブすることを期待した。実際、その威力はすごかった。

 11年6月から半年で1000万人を突破したLINEは、経営統合後にペースを上げ、昨年4月には2000万人増の3000万人を達成。勢いは止まらず7月には5000万人を突破。「年内1億ユーザー」が見えてきた12年11月、LINEは社内のゲーム部門と連携し、「LINE GAME」の本格展開を図った。これが、事業をやっている当人たちも舌を巻くほどの結果を残す。

 絵柄を並び替えテンポよく消していくパズルゲーム「LINE POP」は、公開から58日後の今年1月に世界累計ダウンロード数が2000万件を突破。ほぼ同時に、別のパズルゲーム「LINEバブル」も1000万ダウンロードを超えた。12年12月には、アンドロイドOS向けの課金アプリ全体で、LINE POPのアイテム課金売り上げが世界3位となる快挙も成し遂げている。

 iOS、アンドロイドのアプリランキング上位はLINEと連携したゲームの指定席となり、今年3月、LINE関連のゲームアプリは世界累計1億ダウンロードに達した。ゲーム事業部門からすれば、LINEさまさま。もくろみ通り、いや期待以上の展開だ。それが1年強で、今度は2つの会社に別れることになった……。

■LINE事業とゲーム事業の同居で生じる「矛盾」

 LINE事業の独立について具体的な検討がなされたのは、LINEの世界1億ユーザー達成が見えた昨年12月。日本法人から韓国本社に持ちかけたという。なぜ自ら決めたのか。NHN Japan社長で、新たに発足するLINEの社長にも就く森川亮は、理由をこう説明する。

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