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クイックVote 介護・看護、外国人の参入どう思いますか

第126回

日本経済新聞社は「電子版(Web刊)」の有料・無料読者の皆さんを対象とした週1回の意識調査を実施しています。第126回は、福祉・医療現場の人手不足を補う外国人の介護福祉士や看護師について、皆さんのご意見をうかがいます。

少子高齢化が進む日本。定年を迎えた約800万人の団塊の世代(1947~49年生まれ)が日常生活に手助けを必要とするようになるのはそう遠いことではありません。

高齢者の世話をする介護福祉士や看護師の数は大幅に不足しています。都道府県に登録されている介護福祉士は今年2月時点で、全国に108万人です。ただ、登録者全員が就業中かどうかは明確ではありません。

病院・診療所で働く看護師は2010年12月の統計によると95万人。増加傾向にありますが、准看護師は減りつつあるため、患者の世話をする人の総数はさほど伸びていません。

勤務時間が不規則になりがちで、下の世話なども伴う仕事だけに介護福祉士や看護師は若年層に人気のある仕事とはいえません。

政府が07年に実施した世論調査によると、小学生女子がなりたい職業は(1)ペット屋(2)保母(保育士)(3)ケーキ屋・パン屋――の順です。かつては上位常連だった「白衣の天使」は漫画家・アニメーターと4位を争うところまで順位を下げています。

若い人の数は減る一方だし、しかも3K職場には行きたがらない。そこで政府は06年にこうした職種に外国人の参入を認めることにしました。フィリピンやインドネシアと経済連携協定(EPA)を結んだ際、人的交流の拡大の一環として介護福祉士や看護師としての来日にもビザ(査証)を発給することにしたのです。

介護福祉士や看護師の団体は反発しました。職場を奪われかねない。低賃金の労働力の参入で日本人も低賃金を強いられる。そうした危機感からです。

高齢者が多い患者からも「言葉が通じない人では不安だ」「東南アジアは日本よりも医療水準が低くないか。スキルが身に付いていないのではないか」などの声が噴出しました。

 そこで政府は介護福祉士は来日から4年以内、看護師は3年以内に日本の国家試験に合格しない場合はビザを更新しないとのタガをはめました。

さて、どうなったでしょうか。漢字にひらがなにカタカナ。日本語は世界でも相当に難しい言語です。片言会話は何とかできても、文字で書かれた国家試験の出題用紙を読みこなせるようになった外国人は多くありませんでした。

フィリピンやインドネシアでは腕利きだった看護師たちが技量でなく、ペーパーテストであえなく玉砕する。EPAで労働市場を開放したはずなのに現実には閉鎖状態のままでした。市場開放を断固拒否するのではなく、表向きは受け入れると言う。しかし運用の際に非関税障壁で参入を阻む。日本にありがちな光景です。

政府は国家試験の出題用紙に出てくる漢字に振り仮名をふるように指導しました。それでも今月発表された介護福祉士の試験結果で、外国人の合格率は39.8%にとどまりました。前年比1.9ポイント増。振り仮名効果はほとんどなかったといってよいでしょう。ちなみに日本人を含む全体の合格率は64.4%でした。

より難しい看護師の方では、外国人の合格率は9.6%。こちらは前年比1.7ポイント減でした。

フィリピンの母国語はタガログ語ですが、米国統治が長かったこともあり、国民の多くは英語に不自由しません。日本ならば高賃金が得られると思って挑戦してみたものの、こんなに壁が高いならば言葉の壁のないシンガポールや香港、高賃金の中東諸国へ出稼ぎ先をシフトしよう。そんな動きが出始めているそうです。

日本は外国人労働者の受け入れや移民の受け入れに消極的ですが、日本人だけでは労働力が確保できない3K職場を中心に事実上の外国人労働者の受け入れは始まっています。

 福祉・医療現場だけでなく、農業や漁業なども研修生などと称して受け入れている外国人がいなければやっていくのは難しいのが現実です。建前では受け入れないが、実際には受け入れている。こうした運用そのものが日本的ともいえます。

特殊なスキルのある熟練労働者は受け入れるが、誰でもできる非熟練労働者は受け入れない。これが目下の日本政府の基本方針ですが、現在の運用では熟練は金融のプロなどの欧米ビジネスマンが主な対象になっています。介護・看護は熟練労働とはみなされていません。

今回は4月2日(火)までを調査期間とし3日(水)に結果と解説を掲載します。アンケートには日経電子版のパソコン画面からログインして回答してください。ログインすると回答画面が現れます。電子版の携帯向けサービスからは回答いただけません。

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