2018年8月20日(月)

既存宅地向けに液状化対策技術の開発を急ぐ
東日本大震災後、半壊棟数の被害想定が5.5倍に拡大

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2012/5/29付
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 東京都が2012年4月18日に公表した首都直下地震による被害想定見直しで、東京湾北部地震によって液状化被害を受ける都内の建物棟数は、これまでの2.5倍に拡大した。全壊と半壊で合計6万4179棟。2006年に算出した想定値と比べ、全壊棟数は9割も減った一方で、半壊棟数が5.5倍に拡大した。

 被害想定が大きく変わったのは、東日本大震災で得られた液状化被害の実データを使ったからだ。

(資料:東京都)

(資料:東京都)

 液状化による建物被害の算出方法は、250mメッシュごとの建物棟数に液状化のしやすさに応じた面積率を乗じ、さらに全壊率と半壊率をそれぞれ掛け合わせる。

 2006年の想定時は、全壊率と半壊率がほとんど変わらない数値だった。見直しでは、東日本大震災による液状化被害が甚大だった千葉県の浦安、船橋の両市の実態をもとに乗率を算出。その結果、全壊率が0.6%と小さくなる一方、半壊率は22.3%と上がった。

 とはいえ、半壊と認定された住宅は100分の1以上の傾きで不同沈下しているものだ。この傾きは医学的に居住者が苦痛を感じるとされている値。居住者にとっては許容できる被害ではない。東京都の想定見直しでは、こうした被害がこれまでよりも大幅に増える見込みとなった。

 東日本大震災で市域の約85%が液状化した浦安市の場合、全壊棟数が10棟にすぎなかったのに対して、半壊棟数は約3700棟。住宅だけでなく下水管などが液状化被害を受け、ライフラインも寸断された。

 同市は、2011年7月に地盤工学会と土木学会、日本建築学会の3団体に「液状化対策技術検討調査」を委託。3団体の組織した調査委員会が地盤特性や被害状況、液状化対策を検討し、2011年11月に結果を取りまとめた。

■コストや施工面で一長一短

 「浦安のような既存の開発地の戸建て住宅に適した液状化対策工法はなかった。取りまとめでは、これまでの液状化対策工法を列挙して特徴を整理するにとどまった」と、浦安市都市整備部市街地開発課の秋本巧氏は説明する。

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