2018年8月15日(水)

既存宅地向けに液状化対策技術の開発を急ぐ
東日本大震災後、半壊棟数の被害想定が5.5倍に拡大

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2012/5/29付
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 当初は、道路や住宅を別々に対策する手法を検討していたが、国土交通省が2011年度第3次補正予算で、道路などを含めた街区全体で液状化対策を施す場合に補助金を出す制度を打ち出した。そのため、道路などの公共施設と住宅を一体化した対策の5工法を列挙した。

(浦安市の資料をもとに日経コンストラクションが作成)

(浦安市の資料をもとに日経コンストラクションが作成)

 「杭状改良工法」と「静的圧入締め固め工法」、「格子状改良工法(深層混合処理工法)」、「格子状改良工法(高圧噴射かくはん工法)」、「地下水位低下工法」は、いずれも一長一短があって、取りまとめの段階では1工法に絞っていない。各工法で課題として上がったのは、施工の実現性や宅地所有者のコスト負担、工法の効果などだ。

 5案のうち最もコストや施工の面で有利だったのは「地下水位低下工法」だ。浦安市で甚大な液状化を引き起こした一因は、地下水位の高さ。道路直下に地下水を排水する本管、宅地の地盤に枝管をそれぞれ敷設して、その水位を下げることで液状化を抑制する。

 初期費用はほかの工法より安くて今の技術でも施工できるが、課題もある。地下水位を一定に保つには、ポンプを動かし続けなければならず維持管理費が掛かる。地下水を抜くことで地盤沈下の恐れもある。

 市は現在、5工法の中から「地下水位低下工法」と「格子状改良工法(高圧噴射かくはん工法)」の2工法に絞り、実現の可能性を検証している。2012年5月1日には調査業務の委託者にベターリビングを特定した。

 街区一体で対策を施す2工法に、宅地だけの改良工法を含め、今秋をめどにコストや有効性を検証する。格子や配水管をどれくらいの間隔で敷設すれば効果があるのかなどの技術的な課題も詰める。

[注]日経コンストラクション2012年5月28日号の特集「首都圏防災最前線」で、構造物被害や液状化、火災などの想定される被害別に、首都圏の地震防災の最前線を詳しく紹介。

(日経コンストラクション 森下慎一)

[ケンプラッツ 2012年5月28日掲載]

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