2019年2月22日(金)

家庭用ゲーム機に第3勢力 ソニーとMSに挑む
ジャーナリスト 新 清士

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2014/1/31 7:00
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 米国の中堅ゲーム会社、バルブ(ワシントン州ベルビュー)の動向が注目されている。ゲーム向けの新型基本ソフト(OS)を開発し、同OSを搭載したゲーム用パソコンを今年から展開するためだ。業界内にはソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション(PS)4」や米マイクロソフト(MS)の「XboxOne(エックスボックスワン)」に対抗し、家庭用ゲーム機の新しい勢力になると予想する声もある。高品質のゲームで人気を集めてきたバルブが今、ニッチなイメージが強いパソコンゲームを引っさげて家庭用ゲームに参戦する狙いは何だろうか。

スチームOSの公式ページ

スチームOSの公式ページ

■ハード価格は500~6000ドル

バルブはインターネットを通じて自社ゲームソフトを中心としたコンテンツを配信するサービス「スチーム」を展開している。スチームOSは、このスチームをパソコンで利用することに特化したOSだ。オープンソースのOS「リナックス」を独自にカスタマイズして開発し、無料で配布する。

バルブは自社でハードウエアを発売せず、あくまでもスチームを通じたコンテンツ販売が収益の中心だ。ハードはパソコンメーカーがスチームOSを搭載したゲームパソコン「スチームマシン」を商品化する。バルブはメーカーによる販売を通じてスチームマシンの普及を目指している。

スチームマシンは高精細テレビでの映像表示にも対応する。同社の狙いは、今までユーザーが限られていたパソコン向けゲームを、リビングルームのテレビで幅広いユーザーに遊ばれるようにすることなのだ。

米ラスベガスで1月7~10日に開かれた国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、今後発売される各社のスチームマシン12機種が発表された。最も安価なもので499ドル。パソコンで一般的なOS「ウィンドウズ」を搭載していない分、価格を抑えられるようだ。ただ、1000~2000ドル前後と性能を追求したハイエンドモデルも多く、最も高い性能を追求したという6000ドルの機種もあった。

■ウィンドウズの搭載も可能に

スチームOSの試作版であるベータバージョンは昨年12月14日に公開されており、正式な完成版は今年春ごろ発売予定だ。スチームOSが動作するハードの中身は、基本的にパソコンと同じ。ゲーム用途中心のパソコンだが、将来的にはウィンドウズのインストールも可能になる見通しだ。

スチームマシンの価格の違いは主に搭載するCPUやビデオカードの性能の差だ。性能が高ければ高いほど精密な映像を表示し、滑らかに動作する。パソコンメーカーがスチームOS搭載パソコンを出したい場合、バルブに申請するだけでライセンスが取得できる。どの企業も簡単に費用をかけずに参入可能なため、スチームマシンを商品化する企業は今後さらに増えるとみられる。

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