太陽光発電システム、転換点を迎える市場
中国メーカーが欧州から米国や日本にシフト

(1/2ページ)
2011/10/3 7:00
保存
共有
印刷
その他

太陽光発電システムの市場が大きな節目を迎えている。その主因は、2010年に世界の約8割を占めた欧州市場が急激に縮小したことだ。代わって、ここに来て伸びているのは米国や中国の市場である。さらに、太陽光発電システムを選ぶユーザーの視点にも変化が見られる。これまでは初期コストに注目する人が多かったが、長期的な信頼性や収益性を重視するケースが増えている。

■First Solar社は過去最高の販売、売り上げは下落

図1 米First Solar社の売上高と販売量の推移  米First Solar社の決算データより日経BPクリーンテック研究所が作成した。

図1 米First Solar社の売上高と販売量の推移  米First Solar社の決算データより日経BPクリーンテック研究所が作成した。

2011年8月、米Solyndra社など米国の太陽光発電システム・メーカー3社が相次いで経営破綻に陥った。欧州市場の縮小によって、世界的に太陽光発電システムが供給過剰になり、単価下落から業績が悪化したからだ。加えて、欧州市場でシェアの高い中国メーカーが、縮小した欧州市場分を補おうと米国市場に攻勢をかけ、米国メーカーのシェアを奪ったことが背景にある。

米最大手のFirst Solar社も2010年第4四半期(10~12月)以降、売上高が減っている(図1)。2011年第2四半期の販売量は前年同期比40%増の約483MW(メガワット)と過去最高に達したが、売上高は2010年第3四半期のピークに比べて33%減と大幅に減った。その結果、営業利益率は27%から12%へと悪化した。CdTe(カドミウム・テルル)型という、シリコンを使わないタイプの発電素子を使うことでコストを下げ、それを武器にこれまで順調に売上高を伸ばしてきたが、中国メーカー参入による価格下落までは避けきれなかった。

■欧州市場の縮小が重くのしかかる中国メーカー

図2 中国Suntech社の売上高と販売量の推移  中国Suntech社の決算データより日経BPクリーンテック研究所が作成した。

図2 中国Suntech社の売上高と販売量の推移  中国Suntech社の決算データより日経BPクリーンテック研究所が作成した。

攻勢を仕掛けた側の中国メーカーも、決して順調とは言えない。世界最大手の中国Suntech社の出荷量は、2010年第4四半期から3四半期連続で横ばいが続いている(図2)。米国市場の攻略で出荷量は維持しても、単価が下落している分、売上高は減少した。中国メーカーの成長は欧州市場の成長とともにあり、欧州市場の縮小は中国メーカーに新たな市場開拓を迫っているのだ。

欧州市場は、2008年までドイツやスペインを中心にフィード・イン・タリフ(FIT)制度によって急速に拡大した。一気に生産量が増えたため、太陽光発電システム向けのシリコン材料が足りなくなり、材料価格が高騰するほどだった。市場拡大に乗じて、中国メーカーが膨大な投資で生産能力を高め、規模を大きくした時期である。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]