2019年5月23日(木)

国内生産再生で脚光 「新4大工業地帯」はココ

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2014/5/1付
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日経ビジネス

 東北の「第2トヨタ市」など台頭する「新4大工業地帯」が新たな産業集積と雇用を生み、地域経済を活性化、やがては日本全体を成長軌道に復帰させる――。超円高が是正され、新興国のコスト上昇が進んだことで、生産を国内に戻す動きが広がりつつある。しかも単に国内回帰を進めるのではなく、モノ作り全体を底上げすべく、知恵を絞って国内生産を見直す動きだ。

雪印メグミルク(右)は首都圏の生産拠点を茨城に集約。チーズなどの主力拠点に

雪印メグミルク(右)は首都圏の生産拠点を茨城に集約。チーズなどの主力拠点に

「3冠王」は京浜工業地帯からも中京工業地帯からも出なかった。都道府県別に1000m2(平方メートル)以上の工場用地の取得状況を調べた経済産業省の「工場立地動向調査」。2013年に立地件数、面積、他県企業の進出数すべてで1位に輝いたのは、北関東の茨城県だった。

過去10年間で見ても、茨城の立地面積は全国トップだ。創業の地である東京都日野市から茨城県の古河市に主力工場を移す日野自動車。茨城港に並び立ち、建設機械を世界中に輸出するコマツと日立建機。確かに、最近の大きな工場投資は茨城が目立つ。食品産業でも、巨大消費地・東京の人々の胃袋を満たそうと、雪印メグミルクや日本ハムが最近、相次ぎ工場を稼働させた。

■北関東自動車道で広がる工場地帯

産業立地に詳しい東京大学の松原宏教授は「茨城は東京の本社や(研究機関の多い)つくばに近く、R&D機能と一体化している」と工場進出が相次ぐ理由を分析する。生産技術や研究開発、素材開発などの知を軸に結びついた企業連携、すなわち「知のケイレツ」を築く最適地でもあるというわけだ(注:知のケイレツの詳細は、日経ビジネス2014年4月28日・5月5日合併号の特集「ニッポンの工場」に掲載)。

新たに台頭する「新4大工業地帯」の一つは、巨大消費地の東京から近い「北関東横断工場ロード」。北関東自動車道や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の周辺に建つ工場群を指す(イラスト:Ryo Takemasa)

新たに台頭する「新4大工業地帯」の一つは、巨大消費地の東京から近い「北関東横断工場ロード」。北関東自動車道や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の周辺に建つ工場群を指す(イラスト:Ryo Takemasa)

2011年に全線開通した北関東自動車道で茨城とつながった栃木県や群馬県にも、同様の動きが広がっている。東京の約100km北にある北関東道沿いを走ると、群馬県高崎市には2013年に稼働したばかりの森永製菓の工場が立ち、栃木県真岡市では木工会社ファーストウッドの拠点建設が進む。先述の日野自は群馬県太田市の部品工場でも増設工事を始めた。この一帯は、いわば「北関東横断工場ロード」である。

学生時代、社会科で「4大工業地帯」を学んだ読者は多いだろう。東京近郊の京浜、自動車産業の盛んな中京、電機の阪神、鉄鋼の北九州。生産額は合計で年100兆円を上回る。日本全体の工業生産額の4割を占め、日本のモノ作りの柱であることに変わりはない。

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