ガリガリ君、ソニー…「老舗ブランド」常識破り再点火
ブランド・ジャパン2014

(4/4ページ)
2014/5/8 7:00
保存
共有
印刷
その他

一方、テレビCMでは、他社が「電池持ちの良さ」といった不満解消で競う中、カメラ機能だけを徹底的に訴求した。「『こんなに使いやすい』とうたうだけではスマホが単なる便利なデバイスと思われ、ブランドが陳腐化する」とソニーモバイルのマーケティング部・金子克之統括部長が語るように、エクスペリアは独自戦略を貫いた。

「リスクを恐れず、Kando(感動)をもたらす商品を創造する」──。

平井社長は、2014年米国で開催された家電見本市「International CES」の基調講演でこう語った。その思想の発露を、消費者は感じ取ったのかもしれない。「万人に売れるとは限らないものでもトライする、昔のソニーの姿勢が表に出てくるようになった」と調査会社BCNの道越一郎氏は変化を指摘する。"眠れる獅子"ソニーの本気に、「日本を代表するブランドとして応援する気持ちが表れた」と阿久津教授も語る。

■「閉塞感」を超えて

「総合力」の順位は70位だが、2013年からの上昇ランクでトップに立ったのが、メッセンジャーアプリのLINEである。SNSでは、米フェイスブックの241位が過去最高であることを考えると、高い順位だ。LINEがここまで市民権を得るようになったのは、ライフラインとして存在感を高めているからだろう。

例えば、2012年末導入の「LINE@」は、商店などがユーザーに情報を配信できるサービス。従来、企業が公式アカウントを運営するには月額数百万円の料金がかかるのに対し、月額5000円程度から利用できるため、多くの中小企業や店舗が参入した。「知人間の"閉じた"ツールから、生活へ溶け込んだ存在を目指す」(LINEの舛田淳最高戦略・マーケティング責任者)という姿勢が、ほかとは異なる像を構築した。

LINEのような新勢力に加え、ガリガリ君やソニーという、いわば"古株"が躍進を遂げたことは、2013年の世相を象徴している。内閣府によれば、景気の現状を示す景気動向指数(CI、一致指数)は、2013年12月にリーマン・ショック前の水準まで急回復。「2020東京五輪」の開催決定も追い風になり、消費者心理は好転に向かった。ランキングには、閉塞感を打破しようと一歩踏み出した企業に共感する、前を向く消費者の姿があった。

(日経ビジネス 森岡大地)

[日経ビジネス 2014年4月21日号の記事を基に再構成]

「日本経済新聞電子版」と「日経ビジネスDigital」のセット商品の販売を始めました。別々に購入するより月額650円お得です。詳しくはこちら

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]