ガリガリ君、ソニー…「老舗ブランド」常識破り再点火
ブランド・ジャパン2014

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2014/5/8 7:00
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■日本の「電機」、復活の光

「閉塞感の打破」。ガリガリ君と同様の理由で評価を高めたのが、日本の電機メーカーの代表格、ソニーだ。

同社は2005年の調査では総合力トップを取ったものの、2013年は22位と低迷していた。業績も2013年3月期こそ5年ぶりの黒字にはなったが、本格的な回復基調には程遠い。

そんな中、2014年2位と復活を遂げた理由について阿久津教授は、「『エレキのソニー』ブランド復活への期待を消費者が感じたのではないか」と推測する。原動力として挙げられるのが、カメラとスマートフォンだ。

「大胆かつ先鋭的な商品性。鮮烈な記憶に残るカメラ」。2013年5月、ソニーのコンパクトデジカメ(コンデジ)「サイバーショット RX1」は、こんな賛辞とともに「カメラグランプリ2013」の大賞を受賞。「コンデジは一眼に画質で劣る」という"常識"をひっくり返し、25万円という超高価格ながら、発売時には品切れ店が出た。

「最高画質を目指す上で、ほかに選択肢はなかった」と開発陣の一人が語るように、撮像素子には主にプロ向けの一眼で使われる35mmフルサイズCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を採用。撮像素子は一般的なコンデジに比べて圧倒的に大きいが、レンズを本体に食い込ませて撮像素子すれすれに配置する独自構造を生み出したことで、実現にこぎ着けた。

「ソニーにしかできない、誰も作らなかったカメラを生み出さなければ未来はないという意識が強くあった」と、ソニーのUX・商品戦略本部・濱口努統括部長は語る。「売れる保証のない『25万円のコンデジ』という常識外れの企画が止められずに商品化まで達したことが驚き」と、他メーカーの技術者もソニーの思い切った策に舌を巻く。

支持を得たもう一つの要因が、スマートフォン「エクスペリア」の存在だ。

ソニーモバイルコミュニケーションズが2013年10月に発売した「エクスペリア Z1」は、ソニーのカメラ技術が惜しみなく投入されたモデル。2012年に就任したソニーの平井一夫社長が掲げる「One Sony」の「第1章」と銘打たれた企画で、モバイル部隊にソニーのカメラ技術者が企画段階から合流し、開発が進められた。

Z1のマーケティング戦略からは、同社の自信が透けて見える。

「ソニー、真っ向勝負」。Z1の発売に際し、米アップルを意識したこんな見出しが躍る「号外」風の広告が全国で配布された。従来なら、iPhone(アイフォーン)にブランド力で大きく水をあけられ、とても打ち出せなかった。だが、総力を結集して作り上げた自信から、ソニーは大胆な策に打って出たのだ。

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