ガリガリ君、ソニー…「老舗ブランド」常識破り再点火
ブランド・ジャパン2014

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2014/5/8 7:00
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ガリガリ君人気の特異さは、本調査のデータからも垣間見られる。

本調査には、企業ブランドだけを対象にした「ビジネス市場(BtoB)編」と、企業ブランドだけでなく商品ブランドも対象に含めた「コンシューマー市場(BtoC)編」がある。ガリガリ君が14位にランクインしたBtoC編に関しては、「総合力」を決定する要素が、「フレンドリー(親しみ)」「コンビニエント(便利)」「アウトスタンディング(卓越)」「イノベーティブ(革新)」の4つに分かれる。「一般的に、食品や飲料は身近な商品が多く、フレンドリーやコンビニエントが高くなりやすい」とブランド・ジャパン企画委員会委員長で、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の阿久津聡教授は指摘する。

だがガリガリ君の場合、海外の高級ブランドが票を獲得することが多いアウトスタンディングや、主にIT(情報技術)企業が評価されるイノベーティブの要素が高い。ほかにはない独自性が消費者の琴線に触れたと言えそうだ。

■「小ネタ」連打で心をつかむ

コーンポタージュ味の投入時に強力な口コミ力を示したガリガリ君だが、同社は決して能動的にウェブでの情報発信をしているわけではない。多くの企業が開設するSNSの公式アカウントはなく、「情報発信の主体はプレスリリース」と萩原氏は言い切る。

2014年3月には「衝撃シリーズ」の完結編として、「ガリガリ君リッチ ナポリタン味」(右)を限定発売

2014年3月には「衝撃シリーズ」の完結編として、「ガリガリ君リッチ ナポリタン味」(右)を限定発売

なぜ、"アナクロ"とも言えるプレスリリースを重視するのか。「拡散させようとすればするほど、わざとらしくなる」と萩原氏はその理由を語る。

そこで同氏が心がけているのが、消費者が勝手につぶやきたくなるような「小ネタ」を連打する戦略だ。

例えば、真冬の札幌で開かれた試食会、棒付きアイスには必要のないスプーン置き場の店頭への設置、会員組織を作って特典のないゴールド会員証を発行するといった具合。つい笑ってしまうようなものが少なくない。

小ネタでウケたものは継続し、新しいネタを足していく。実施した小ネタ(販促策)は、2011年には年100種類を突破、その後も毎年増え続けている。「生活の中に広く溶け込むことでブランドを想起させ、売り場へ誘引する。小ネタは単発では意味がなく、積み重ねが必要で、接触量がある閾値(いきち)を超えた時、消費者は動く」と萩原氏は語る。

2013年、地道に続けてきた小ネタの積み重ねと消費者の想像を大きく飛び越える新商品の登場で、ガリガリ君はブレークスルーに達した。

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