2019年7月23日(火)

人間が「情報端末」に、ヘルスケアの進化促す
近未来探訪(1)センサーとクラウドで生活が変わる

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2012/1/2 7:00
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2012年も進化を続けるIT(情報技術)。イノベーションの積み重ねによって、これまで不可能だったことがいつの間にか当たり前のサービスに変わっている。そんな近未来の姿を「センサーとクラウド」「音声認識」「次世代GPS」「災害予測」の4つの視点から描き出す。

人体に装着する最新型の小型センサーが、これまで"捨てられていた"データを拾い集め、新しいサービスを生み出そうとしている。ユーザーの行動や生活パターンを絶えず見張り、その結果を即座にフィードバックする。背景には、アプリ開発が容易で各種センサーとつながるスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及と、非定型の大量データを分析する技術に磨きをかけるクラウドコンピューティングの進化がある。

■心拍数を基にリアルタイムでアドバイス

「グリーンゾーンにスローダウンします」。ランニングを始めてしばらく走ったところ、米アップルのスマートフォン「iPhone」につながったイヤホンから音声のアドバイスが聞こえてきた。どうやら今日は、いつもよりペースが上がっていたらしい。こころもちスピードを緩めて走ってみるとアドバイスが「グリーンゾーンを維持します」に変わった。しばらくはこのペースをキープすればいいようだ――。

「miCoach CONNECT」は心拍計センサーとiPhoneに差し込むジャックで構成。iPhone内のアプリ「miCoach」と連携する

「miCoach CONNECT」は心拍計センサーとiPhoneに差し込むジャックで構成。iPhone内のアプリ「miCoach」と連携する

アディダスジャパンが2011年12月に発売した「miCoach CONNECT」は、ランナーの心拍数を胸に装着した小型センサーが拾い、専用のジャックを着けたiPhoneに送信する。iPhone内のアプリ「miCoach」が、リアルタイムに変わる心拍数とトレーニングプログラムを付き合わせて、最適な走行ペースを音声でアドバイスする。

ランナーは心拍センサーを付けて走るだけで、iPhoneに自分の走行データを記録できる。靴に付ける「ストライドセンサー」を使えば走行速度も加味した測定が可能だ。データはiPhoneに集約されているため、いったん休憩してそれまでの経過を振り返るのも簡単だ。

ランニング時に発生する心拍数や速度などのデータはこれまでも測定可能だったが、そのまま捨てられていたり活用されないまま死蔵されることが多かった。センサーと連動するアプリが自動的にこうしたデータを収集し、そこから得られた情報をフィードバックしてくれる。自分のその日の運動量を確認し、以前の結果と比べるといったライフログの目的にも使える。

miCoachで地図に表示された走行履歴

miCoachで地図に表示された走行履歴

アプリのmiCoachは、運動結果を計測後iPhoneからクラウドに転送するため、パソコンなどほかの端末からも確認できる。ユニークなのはクラウドに送った計測データを基に、自分の心臓強度に適した運動プログラムをデザインしてくれる機能。「その人に最適なメニューをカスタマイズするため、ほかの人と同じプログラムが組まれることはない」(アディダスジャパンの星裕介ブランドマーケティングジュニアマネージャー)。このプログラム通りの負荷で運動してしていないことを検知すると、冒頭の例のように優しく"コーチ"してくれる。

■24時間筋肉の動きで行動を感知

24時間、ユーザーの行動をチェックする製品もある。太さ1cm前後で重さ21グラム程度のリストバンドが、筋肉の動きなどから睡眠の深さや長時間同じ姿勢を続けているなどユーザーの行動を記録していく。あらかじめ設定しておけば、指定した時間の近くで最も寝覚めがよいタイミングでアラームを発したり、仕事中に運動不足のアラートを伝えてくれる――。米ジョウボーンの「UP」は11年秋に米国で発売され、すでに予定台数の20万台を売り切ったという。

UPの核になるのは、筋肉の動きなどからユーザーの動きを読み取るモーションセンサー。バッテリー消費の事情から無線機能は付いていない。iPhoneのイヤホンジャックにつなぐことでデータを送り込む。

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