2019年1月24日(木)

「ねじれ無視」で全層崩壊、ビル設計者を断罪 NZ地震

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2012/12/29付
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崩壊したCTVビルを南東上空から見る。北側にコアだけが残った(写真:ニュージーランド王立委員会)

崩壊したCTVビルを南東上空から見る。北側にコアだけが残った(写真:ニュージーランド王立委員会)

構造設計者は、地震時に生じる建物のねじれ振動を考えずに計算した――。

ニュージーランド(NZ)政府の独立調査機関である王立委員会は、2011年2月に同国クライストチャーチ市近郊で起こった地震で崩壊したカンタベリーテレビジョン(CTV)ビルの最終報告書を2012年12月10日に公表。全ての柱梁接合部が脆弱だったうえ、北面に突き出たコアと各階の床とを適切に接合していなかった点など、ずさんな実態も明らかになった。

地震による建物被害をまとめた報告書は全1100ページ以上。324ページをCTVビルに割いた。

CTVビルは鉄筋コンクリート造の6階建てで1988年に完成した。地震時に周辺では水平方向に700ガル、上下方向に800ガルの加速度を観測。建物はコアだけ残して全層が積み重なるように崩れ、日本人留学生を含む115人が死亡した。

市の中心部で崩壊した鉄筋コンクリート造の建物は同ビルを含む2棟だけ。原因究明に関心が集まっていた。

基準階伏せ図。北側にコアがあり、偏心した構造となっていた。コアのうち東側2つの壁と各階の床との結合力が不足。1991年に山形鋼で補強した(資料:ニュージーランド王立委員会)

基準階伏せ図。北側にコアがあり、偏心した構造となっていた。コアのうち東側2つの壁と各階の床との結合力が不足。1991年に山形鋼で補強した(資料:ニュージーランド王立委員会)

南東側から見た被災前のCTVビル。直径40cmの鉄筋コンクリート柱で自重を支えていた。地震後の調査で、円柱のせん断耐力を確保するスパイラル筋の不足なども判明した(写真:ニュージーランド王立委員会)

南東側から見た被災前のCTVビル。直径40cmの鉄筋コンクリート柱で自重を支えていた。地震後の調査で、円柱のせん断耐力を確保するスパイラル筋の不足なども判明した(写真:ニュージーランド王立委員会)


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