歌手・野口五郎氏が特許、スマホでライブ「持ち帰り」
ゲームソフトの開発などを手掛けるフォネックス・コミュニケーションズは、コンサートやイベント、講演会などのライブ映像を、イベントの終了後すぐに来場者がスマートフォン(スマホ)で視聴できるサービス「テイクアウトライブ(Take Out Live)」の正式サービスを開始した。
同サービスは、歌手の野口五郎氏が自ら発案したもの。基本となる特許を同氏が取得し、実際のサービス開発をフォネックス・コミュニケーションズが手掛けた。イベントの来場者にQRコードを印刷したカードなどを配布する。イベント後に、そのQRコードをスマホの専用アプリで読み取ると、当日のライブを視聴できる(写真1)。ライブ映像は会場で録画し、終了直後にアップロードする。



「ライブ会場を一歩出た直後から視聴でき、会場からの帰り道で当日のライブの感動をよみがえらせることができる」(フォネックス・コミュニケーションズ 事業部長の長久保正洋氏)。アーティストのプロダクションやレコード会社などのほか、講演録の配信などに向けてイベント会社などにも売り込む計画である。
QRコードにはユニークなIDが埋め込まれており、初回の視聴時にIDとスマホの端末IDなどをサーバー上でひも付ける(写真2、写真3)。いったん利用したQRコードのIDについては初回視聴以後は、他の端末からダウンロードできなくなり、イベント来場者以外からの不正アクセスを防ぐ。
「ストリーミング方式より高画質を実現しやすいほか、ユーザーの所有欲も満たしやすいため、ダウンロード型を選択した。課金なども可能」(長久保氏)という。
同サービスは、2012年10月に発案者である野口五郎氏のコンサートでテストが実施された。2013年2月に開催されたアーティスト「TRIPLANE」の10周年記念コンサートで正式サービスに至った。
(日経コンピュータ 進藤智則)
[ITpro 2013年2月27日掲載]