独で反原発の緑の党躍進 重要州議選、与党の敗北濃厚
【ベルリン=共同】ドイツのメルケル保守中道政権が「今年の最重要選挙」と位置付ける南西部バーデン・ビュルテンベルク州の州議会選挙の投票が27日、行われた。投票終了直後に公表された主要テレビの出口調査では、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)など与党側が敗北を喫し、反原発を掲げる90年連合・緑の党は前回選挙の議席から約2倍に躍進するなど野党側が優勢となった。
選挙期間中に福島第1原発の事故が発生、州内に4基の原発があることから、エネルギー政策が最大の争点となった。
同州はCDUが、1953年から政権を担っている同党の牙城。
事故を受けてメルケル首相は14日、原発の稼働年数を平均で12年間延長する従来の計画を3カ月間凍結して再検討すると発表。これに対して、緑の党など野党側は与党の一時凍結策を「選挙対策」と批判し「脱原発」を主張した。
また、社会民主党(SPD)が州政権を握る西部ラインラント・プファルツ州でも27日、州議会選挙の投票が行われ、緑の党が躍進した。