2017年12月15日(金)

起業コンテスト世界大会へ挑戦、27歳の思い
来年3月、ブラジル・リオ目指す

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2012/11/27 20:14
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 学生時代は「お金儲けばかりを考えていた。ゴールがはっきりしていなかった」。結果、どれも中途半端に。今度は司法試験を目指そうと留年するも不合格。「キャリアをリセットしよう」と昨年4月、教育関連のベネッセに就職した。希望通り、女性向けコミュニティーサイトの運営部署へ配属されたが、「スピード感が遅くて、ストレスで鬱状態になった」

 今年8月、一般ユーザーのアイデアを募集するネットベンチャーに誘われて転職。大企業とは違う刺激的な日々を送り、満足していた。しかし、彼女と紅葉狩りに出かけようと計画していた11月初旬、転機が訪れる。人生を変えるほどの……。

■彼女との紅葉狩りの予定が一変

18日のプレゼン時に披露した「SENSEINOTE(センセイノート)」の画面

18日のプレゼン時に披露した「SENSEINOTE(センセイノート)」の画面

 浅谷は都内に一軒家を借り、シェアハウスとして起業家や官僚らと住んでいる。ここに、知人から「米国人をしばらく置いてあげてほしい」と頼まれた。米国人とは、11月16日からのコンテストのために来日した米スタートアップ・ウィークエンドのCOO(最高経営責任者)。彼を通じてコンテストの存在を知った浅谷は、紅葉狩りをキャンセルした。

 16日、浅谷はセンセイノートのコンセプトを参加者全員の前でプレゼンしていた。ヒントは、今夏に再会した中学教諭を務める高校時代の友人。話を聞くうちに、「彼の教え子は幸せだな。彼みたいな先生を応援できる社会をつくろう」と思った。漠然と抱えていたその思いを、浅谷はコンテスト初日、5時間かけて整理した。そして披露したのがセンセイノートだ。

 日本中、あるいは世界中の先生と授業方法はもちろん、進路指導や生活指導に至るまでの情報を共有できる教師のためのコミュニティーサイト。有料会員からの収益や、レジュメなどのダウンロード課金の収益で運営し、役立つ情報を提供してくれる教師には現金を還元する。「優秀な教師が正当に評価される時代がくれば、子どもたちのためにもなる」

 プレゼン希望者の80人中、参加者全員の人気投票で残ったのは15人。その一人となった浅谷は、コンテスト最終日の審査に向け、アイデアを形にしていく。

 まずはチームのメンバー集めだ。コンテストに集まった各方面のプロフェッショナルからエンジニア1人、ウェブデザイナー1人、そして、司法試験に合格したばかりの修習生1人を仲間として引き入れた。

■奮起したにわか仕立ての4人

チームで1位をとった記念撮影。浅谷治希(右から2番目)は賞状を掲げる

チームで1位をとった記念撮影。浅谷治希(右から2番目)は賞状を掲げる

 たった1日、にわか仕立ての4人は、それでも問題意識と目指す方向を共有し、実際に動くものを作ろうと決めた。国内のスタートアップ・ウィークエンドはアイデアやコンセプトに終わる場合が多く、わずか3日では主催者側が推奨する「実際にユーザーがいる」段階にたどりつけないという。だからこそ、浅谷らは「やってやろうじゃないか」と奮起した。

 コンテスト最終日となった18日午後7時。いよいよ最終審査に向けたプレゼンが開始。すでに「優勝できると思っていた」浅谷らは、あえて大とりとなる「15番目」を選択した。

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