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検索シェア9割、「基準独占」で利用者に大きな影響

ヤフーはポータル(玄関)サイト「Yahoo! JAPAN」の検索エンジンを2010年中にも米グーグルのシステムに切り替える。日本の検索エンジンのシェアはおおむね「ヤフーが五十数%、グーグルが三十数%」(井上雅博ヤフー社長)で、切り替え後は9割以上をグーグルの技術が握る。どのウェブサイトの情報をどの順番で提供するかの基準をグーグルがほぼ独占することは、インターネット利用者に大きな影響を与える懸念がある。

グーグルは06年、検索結果から情報を削除する可能性として当時の日本法人社長が3つのケースを挙げている。1つ目は犯罪関係のサイト、2つ目は不正な手段を使って検索結果に表示される順位(検索順位)を上げようとするスパムサイト、3つ目は個人や法人から「このサイトは自分の権利を侵害している」というクレームがあったサイトだ。

実際、グーグルはそれぞれの真偽や状況を判断して検索結果から随時除外しており、ウェブサイトの開発者や運営者はそうした対象にならないよう常に注意している。

グーグルで除外される影響は大きい。例えば、ネット通販サイトの多くは集客の大半を検索エンジンに頼っている。検索結果から消えた瞬間、集客数、売り上げは大きく低下する。

ヤフーはグーグルの検索エンジン採用後、検索結果とともに天気情報やスポーツ速報などの独自のコンテンツを適宜加え、グーグルとは異なる検索結果ページを提供するという。しかし、検索結果の元となるデータベースは共通になるとみられ、グーグルの検索結果から除外されれば、ヤフーでもそうなる可能性がある。両社の検索結果に引っかからなければ、インターネット上に存在しないこととほぼ同義になる。

その一方で、グーグルの検索エンジンの"くせ"を利用して、自社サイトを検索結果の上位に表示させることができれば、ユーザーの目に触れる機会がいままで以上に増えることになる。こうした検索サービス対策は「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ばれ多くの企業に広がっているが、SEO競争は今後ますます激しくなるだろう。

検索エンジンが表示する結果は、ウェブサイトやそこで提供される情報の絶対的な価値を示すものではない。一般のネット利用者は今回のヤフーとグーグルの提携を機に、検索エンジン独自の判断が働いていることを改めて意識する必要がある。

(日経ネットマーケティング 杉本 昭彦)

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