急成長の中国LED照明産業で、存在感増す日本メーカー

2012/11/27付
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中国科学技術部が主導する半導体照明(solid state lighting:SSL)プロジェクトでは、「十二五期間」(第12次五カ年計画、2011~2015年)中の目標として、LEDチップの国産化率を80%以上に高めるとともに、その製造コストを2011年比で5分の1に下げることが掲げられている。

同プロジェクトへの政府の投資額は、十五期間(第10次五カ年計画)に3300万元(1中国元=約13円)、十一五期間(第11次五カ年計画)には3.5億元だった。これに対し、十二五期間では10億元が予定されている。これにより、同国のLED照明の市場規模を2015年には5000億元にまで拡大させる狙いだ。

■中国で地歩を固める日本企業

このように、拡大フェーズにある中国のLED照明市場では、世界的にも高水準にある日本企業の技術が貢献する余地が大きい。

CSA(国家半導体照明工程研発及産業連盟)が主催した「第9回 中国国際半導体照明フォーラム(9th China International Forum on Solid State Lighting)」(2012年11月5~7日、中国広州)においても、日本のLED関連企業は高い存在感を示した。

中国LED照明産業で従来から存在感のある日亜化学工業やディスコがスポンサーとして名を連ねたことに加え、今回は新たに日東電工がプレミアムAランクのスポンサーに名乗りを上げた。同ランクのスポンサーは同社とドイツAIXTRON、オランダRoyal Philips Electronicsの3社にとどまる。Bランクには雷士照明(NVC)や国星光電などの中国メーカーの他、米Cree、台湾EPISTAR、韓国Seoul Semiconductor、ドイツOSRAMなど12社が名を連ねた。

日本からはこの他、日立化成工業が出展ブースを構え、2010年に新しく組織された「ISA」には三菱化学が新会員として加わった。ISAには従来からの会員である日亜とディスコ、カネカと併せて計4社が日本から参加したことになる。日本の材料メーカーや装置メーカーは、こうした取り組みを中国LED産業での飛躍につなげていく考えだ。

■パッケージ工程の投資コストを10分の1に

プレミアムAランクのスポンサーとして出展した日東電工は、拡販を狙う製品として光半導体素子封止用シートを強くアピールした。日本では既に数社が採用しており、中国では2013年に販売を本格化したい考えだ。

この製品は、高輝度LEDチップの封止に「シートプロセス」を採用することで、製造コストを削減するもの。シートプロセスでは、従来の「ポッティングプロセス」に比べて製造工程を簡素化でき、従来比10倍の速度で工程を完了できるという。

日東電工はこの効果を、1パッケージ当たり10個のLEDチップを搭載するCOBモジュールについて、月産100万パッケージの製造に必要な初期投資額を引き合いにして訴求した。同社の試算によれば、ポッティングプロセスでは936万米ドルを要するのに対し、シートプロセスではその10分の1の90万米ドルで済むという。

日立化成は、粘着材付きの低熱抵抗薄型フレキシブル基板を出展した。これはモジュール基板に粘着材付きシートを貼り付けたもので、LED製造工程の自動化や工程数削減につながり、人件費の削減に寄与するという。これら日本企業の展示には、多くの中国企業が高い関心を寄せていた。

(グラナージュ代表、コンサルタント 石田のり子)

[Tech-On! 2012年11月27日掲載]

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