2018年10月16日(火)

“iPhoneなき"ドコモ、優良顧客引き留めへ2つの値下げ スマホ「マイナス4万5000円」も

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2012/5/28 7:00
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12年3月期の決算で、8期ぶりとなる増収増益を達成したNTTドコモ。総契約者数は6000万件の大台を突破し、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の販売台数も期初計画の600万台を大幅に上回る882万台を記録した。

しかし足元では、番号持ち運び制(MNP)によるKDDI(au)やソフトバンクモバイルへの契約流出が、過去最悪に迫るペースで進んでいる。劣勢を跳ね返すべく、窮余の策として打ち出しているのが、なりふり構わない2つの値下げ戦術である。スマートフォンの端末価格と、月々のパケット通信料金の大幅な値下げだ。

■スマホ価格、実質0円どころか「マイナス4万5000円」

5月下旬のある週末。「ドコモのスマホ、他社から乗り換えで全機種実質0円!」という刺激的な店頭販促(POP)が、東京近郊の家電量販店やドコモショップの店頭を飾っている。かつて「0円端末」が全盛期だったころと比較しても、全機種というのは異例のこと。しかも実際には、0円どころか「実質マイナス」なのだ。

例えば、11年12月に発売され年末商戦の主力モデルであった韓国サムスン電子製の「GALAXY S II LTE」。東京都内の複数のカメラ系量販店では、割引前の端末価格は5万7960円。新規契約やドコモ端末からの機種変更の場合、購入後24カ月にわたり月々の通信料金を割り引く「月々サポート」が、月額2205円×24カ月で5万2920円適用され、差し引きの5040円が実質価格となる。

一方、MNPの場合は月々サポートによる割引が月額4305円×24カ月、合計で10万3320円と大幅に増額されており、実質価格はマイナス4万5360円だ。

12年3月の発売から、まだ2カ月しか経過していない最新スマホのソニーモバイルコミュニケーションズ製「Xperia acro HD」も破格だ。割引前価格6万480円に対し、新規契約・機種変更の場合の月々サポートによる割引は4万5360円(月額1890円×24カ月)で、実質価格は1万5120円。一方、MNPで他社から転入する場合は、月々サポートが9万5760円(月額3990円×24カ月)付き、実質価格はマイナス3万5280円という勘定だ。まさしく“出血"大サービスである。

■パケット料金、ライトユーザーに格安プラン

端末価格の引き下げだけでも十分に驚きだが、ドコモはさらに値下げのプランを練っていることを明らかにしている。今や通信料収入の中核である、パケット料金に手を付けるものだ。

夏モデルのスマートフォンを発表するNTTドコモの山田社長(16日、東京都港区)

夏モデルのスマートフォンを発表するNTTドコモの山田社長(16日、東京都港区)

「あまりパケット通信をお使いにならない方に向けて、月々3ギガバイトまで割安に使えるXi(クロッシィ)のパケット料金を検討している。準備ができ次第発表する」(NTTドコモの山田隆持社長)――。

高速さを売りとするドコモのLTE方式の通信サービス「Xi」では、12年10月からパケット料金体系が準定額制になる予定。1カ月当たりのパケット通信のデータ量が7ギガバイトに達するまでは、月額5985円の定額料金で下り最大75メガビット/秒の通信が可能。月7ギガバイトを超えると、通信速度が128キロビット/秒と大幅に制限される。速度制限を解除することも可能だが、それには2ギガバイト当たり2625円の追加料金が必要だ。現在Xiを利用しているユーザーは、基本的にこの仕組みが適用されることになる。

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