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丸ごとレビュー MS、移行ツールの無償提供も 初心者でも安心・手軽

XPサポート終了への備え(下)

フリーライター 竹内 亮介

マイクロソフトは4月8日(日本時間9日)、「ウィンドウズXP」のサポートを終了する。多くの人に使われ、なんと13年近くにわたってサポートを続けてきたロングセラーOSだが、セキュリティーパッチなどの提供が終了するため、そのまま使い続けると、非常に危険な状態になる。

早々に新しいパソコンに乗り換える必要があるが、今まで使ってきたファイルをどう引っ越しすればいいのか、悩んでいるユーザーも多いだろう。今回はそうした「パソコン引っ越し」を楽にしてくれる各種ツールを紹介しよう。

新OSには転送ツールがバンドルされている

今回はツールを使った引っ越し作業を紹介しよう

実は、マイクロソフトの新OSには「Windows転送ツール」というファイルの引っ越しを行うための転送ツールが付いてくる。今回取り上げるウィンドウズ8/8.1だけでなく、ウィンドウズVistaや7でも同じだ。雑誌などで取り上げられることが少ないので知らないユーザーも多いようだが、操作は簡単で、ファイルや基本的な設定を移行する程度なら十分な機能がある。

ただし悩ましいのが「8.1のWindows転送ツールはXPでは利用できない」ということだ。こうした背景もあり、マイクロソフトではXPから8.1への引っ越しで利用できる転送ツール「ファイナルパソコンデータ引っ越しeXPress」を無料で提供している。8のWindows転送ツールは、XPでも利用できる。

このほかに市販の引っ越しツールもある。例えば「ファイナルパソコンデータ引越し」シリーズの発売元であるAOSテクノロジーズでは、最新版の「ファイナルパソコンデータ引越し 11plus」を販売している(ダウンロード版の直販価格は税込み2980円)。移行元や移行先のOSに制限がないうえ、ファイルだけでなくインストールされたアプリの移行も可能など、機能は充実している。

下記の表で、OSによってどんなツールが使えるのかを整理したので参考にして欲しい。

OSによって使える移行ツールが異なることに注意したい
旧パソコンのOSウィンドウズXPウィンドウズ
Vista~7
新パソコンのOSウィンドウズ8ウィンドウズ8.1ウィンドウズ8/8.1
ウィンドウズ
転送ツール
利用可能利用できない利用可能
ファイナルパソコン
データ引越し eXPress
利用できない利用可能利用できない
ファイナルパソコン
データ引越し 11plus
利用可能利用可能利用可能

まずはWindows転送ツールを使った転送方法を紹介しよう。この方法を使うためには、移行先のパソコンが8でなければならない。この点には注意が必要だ。基本的に14年春モデルは8.1に移行済みだが、若干残る13年秋冬モデルでは8の製品がある。またBTOで構成が変更できる海外メーカーの製品では、OSに8を選択できることが多い。8から8.1へのアップグレードは無料なので、まず8パソコンを選ぶ手もある。

レノボの直販サイトでは、最新モデルでもウィンドウズ8が選択できる

Windows転送ツールでは、マイドキュメントとデスクトップ、Cドライブに保存したファイル、IEのお気に入り、ライブメール2009のメールデータとアカウントの引っ越しが行える。これ以外の個人ファイルや辞書データなどは、前回紹介したように自分で作業しなければならない。

基本的な作業内容は下記の通りだ。

(1)8から転送ツールを呼び出してUSBメモリなどにコピーする

(2)XP上に転送ツールをコピーして起動、転送ファイルを作成して大容量の外付けHDDまたはUSBメモリなどに保存する

(3)8にそのその外付けストレージを接続し、転送ツールで移行作業を行う

8の転送ツールだ。表示されているウィザードのメニューに従うだけで、簡単に作業できる

転送ツールは、8のチャームの「検索」で「転送」と入力すると表示される「Windows転送ツール」から呼び出せる。古いXPパソコンでの作業は、基本的には転送ファイルの保存先と、移行するアカウントの指定くらいなものなので、非常に簡単だ。8パソコンでの移行作業も同様で、ウィザードに従うだけで簡単にファイルの移行作業が終了する。

ファイルの移行作業が終了したら、必要に応じて8を8.1にアップグレードしよう。

OSに制限はあるが機能が豊富なMS提供の無料ツール

ファイナルパソコンデータ引越し eXPressは、マイクロソフトのウェブサイトからダウンロードできる http://www.microsoft.com/windows/ja-jp/xp/transfer-your-data.aspx

次に、「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」を使って引っ越し作業をしてみよう。

「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」で転送できるのは、マイドキュメントやデスクトップ、Cドライブに保存したファイル、お気に入り、アカウントや壁紙、ライブメール2009やアウトルックエクスプレスなどのメールデータやメールアカウントなど。転送ツールと比べると、対応するメールアプリが多い。

作業内容は下記の通りだ。

(1)ダウンロードした「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」を新旧両方のパソコンにインストールする

(2)古いXPのパソコンに外付けストレージを接続し、そこに転送したいファイルの選択と保存を行う

(3)新しい8.1のパソコンに外付けストレージを接続し、引っ越しファイルを使って転送作業を行う

ファイナルパソコンデータ引越し eXPress。パソコンを直接接続して転送作業を行うことも可能だ

こうした作業内容は、市販の「ファイナルパソコンデータ引越し 11plus」もほぼ同じだ。「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」は、「ファイナルパソコンデータ引越し9」をベースにしており、使い方や作業内容は似ている。ただし「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」では、引っ越し元がXP、引っ越し先は8.1以外は利用できない制限版となる。

今回は転送ファイルを外付けストレージに保存し、それを8.1のパソコンに接続して「荷ほどき」する方法を紹介した。しかし、そうした「中継地点」を挟まずに、2台のパソコンをLANやUSBケーブルで接続して直接ファイルを引っ越しすることも可能だ。

環境が整っているなら、外付けストレージの脱着やファイルの一時保存が必要ない分、こちらの方が楽かもしれない。ただ引っ越しファイルが100ギガバイト以上の大容量ファイルになる場合、USB2.0対応ケーブルや遅いLAN環境では転送に長い時間がかかるので注意が必要だ。

外付けHDDを使った転送のほかにも、USBケーブルやLANを使った直結での転送が可能だ。これはWindows転送ツールも同じ

実際の作業は、ウィザードに従うだけなので非常に簡単だった。もともと高機能なアプリなので、手動で細かい設定も行える。しかしそうした手動設定を行わなくても、最初に用意されている全自動設定のみで問題はないだろう。

また、「ファイナルパソコンデータ引越しeXPress」では「引っ越しのやり直し」ができる。何らかの理由でファイルの移行がうまくいかなかったり、移行したファイルが原因で8の調子が悪くなったりしても、元に戻せるのだ。これもWindows転送ツールにはない機能だ。

アプリは最新版をチェックしておく

どちらのアプリもウィザードの内容と操作手順はできるだけ簡略化されており、全自動モードを選ぶ限りは迷うことはない。また全自動モードでもファイルやお気に入り、アカウントの移行でつまずく場面はなく、よくできている、という印象だ。8/8.1への移行を素早く、そして簡単にしてくれる強い味方になってくれることだろう。

マイクロソフトの「互換性センター」で、周辺機器やアプリの互換性の状況をチェックできる http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/compatibility/CompatCenter/Home

ただ、Cドライブ以外に保存したファイルや辞書ファイル、ライブメールやアウトルック「以外の」メールアプリのデータなど、こうしたツールでは拾いきれないものもある。基本はツールで行うとしても、前回紹介した手動での引っ越し作業の内容もきちんと把握しておきたい。

またこうしたファイル以外にも、8/8.1への移行ではアプリの再インストールが必要になる。XPからVistaで、アプリの作法がかなり変わっており、最新の8/8.1では利用できないことも多い。アプリの開発元のウェブサイトで最新版へのアップデートを探したり、8/8.1で動作するのかどうかの確認したりしておきたい。

マイクロソフトでは、アプリや周辺機器が8/8.1に対応しているかどうかを確認できる「互換性センター」というウェブサイトを設けている。アプリ名や周辺機器名を入力するだけで、動作状況や最新版をダウンロードするためのリンクが確認できる。こうした便利サイトもうまく活用したい。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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