アマゾンのタブレット iPad miniより「お買い得」 - 日本経済新聞
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アマゾンのタブレット iPad miniより「お買い得」

アマゾン・ドット・コム「キンドル・ファイアHD」

アマゾン・ドット・コムは7型画面のタブレット端末「キンドル・ファイアHD」を12月19日に発売する。同社のタブレット「キンドル・ファイア」シリーズの上位モデルで、広視野角のIPS方式で解像度が1280×800の液晶ディスプレーを搭載。特殊ラミネート加工のタッチセンサーと偏向フィルターを組み合わせ、反射を25%カットすることで、どの角度から見ても鮮やかな色合いで深みのあるコントラストとした。

前面HDカメラが付き、スカイプを使って無料ビデオ通話も可能だ。ドルビーオーディオやステレオスピーカーを搭載し、音楽を高音質で聴けるほか、映像などを迫力ある画面や音響で楽しめるようにした。インターネットやメールなどへも簡単にアクセスが可能。

バッテリー駆動は連続11時間。高速無線LANに対応している。価格は1万5800円(16GB)、1万9800円(32GB)。販売目標は非公表。

【日経産業地域研究所研究員の視点】

アマゾン・ドット・コムは年末商戦に向け、日本でタブレットと電子書籍端末の2分野に一気に参入。今回の「キンドル・ファイアHD」は、同社が2011年11月から米国などで展開している「キンドル・ファイア」シリーズ内の上位機で、今年9月に新世代のモデルとして発表されたものだ。

明るく解像度が高いHD液晶やドルビーオーディオ、高速Wi-Fiを搭載。ホームページでは「世界で最も売れている7インチタブレットの後継機種」「すべてのエンターテインメントをこの1台で」などと紹介している。

記録容量が16GBのモデルで1万5800円、32GBで1万9800円という低価格がまずは魅力だ。液晶の解像度がより低く記録容量も8GBの「キンドル・ファイア」も1万2800円で用意している。ベンチマーク機の米グーグルのタブレット端末「ネクサス7」は16GBモデルで1万9800円とやはり手ごろな価格で、当時最新の「アンドロイド4.1」を体験できるモデルとしてデジタル先進層に人気を呼び、発売後に品薄になるなど好調だ。

両機種とも、11月2日に登場したアップルの「iPad mini(アイパッド ミニ)」(16GBモデルで2万8800円)に比べて低価格でスペックだけ見れば「お買い得」との評価が多い。アマゾンもグーグルも、端末自体で利益を上げるのではなく、サービスの提供によって収益を上げるビジネスモデルのため、端末価格を抑えた。

両端末の違いとしては、キンドルが電子書籍に加えドルビーオーディオ搭載などで音楽にも強く、ネクサス7はアプリが豊富というイメージがあるとの指摘もある。ただ、電子書籍端末の市場に比べると、タブレット分野ではキンドルのブランド力や認知度は日本ではまだ低く、「キンドル」を買うならば、3G回線使用料が無料の電子書籍端末「キンドル・ペーパーホワイト」をまずは買いたいという人も多い。

アマゾンは2000万曲以上の楽曲がある同社の「MP3ストア」で購入した曲を自社端末のほか、他社の端末でも楽しめるクラウド音楽サービスを11月に日本でも開始、ネット通販サイト上でアピールしている。同社のサービスは電子書籍の「キンドル」アプリも合わせ、基本的にiOS機やアンドロイド端末など他社製品でも使える設計ではあるが、アマゾンサイトの販売力や今後のサービス展開力が、キンドル・ファイアの認知度を上げて売れ行きを後押しする可能性もある。

価格1万5800円(16GB)、1万9800円(32GB)
販売目標非公表
発売12月19日
OSアンドロイドをベースに改良
CPUOMAP4460 デュアルコア(1.2GHz)
液晶画面7型(解像度1280×800)、10点マルチタッチ
内蔵記録容量16、32GB
通信方式デュアルバンド・デュアルアンテナWi-Fi
センサー環境光センサー、アクセロメータ、ジャイロスコープ 
バッテリー駆動連続11時間
サイズ、重量137×193×10.3mm、395g

【ベンチマーク商品】

グーグルのタブレット端末「ネクサス7」。グーグルがエイスース(華碩電脳)と共同開発し、エイスースが製造・販売している。OSはアンドロイド4.1を搭載、動作が滑らか。画面は7型で、重さも340gと片手で持つことができる。

グーグルのコンテンツ配信サービス「グーグルプレイ」に対応している。ディスプレーは広視野角のIPSを採用し、解像度は1280×800と高く、ハイビジョン映像を楽しみやすい。バッテリー駆動は9.5時間。CPUはテグラ3(1.3GHz)、記録容量は16GB、前面カメラは120万画素。サイズは120×198.5×10.45mm。重量は約340g。

9月25日からグーグルプレイでのネット直販を開始、10月2日から家電量販店などの店頭でも販売している。価格は1万9800円。10月30日には、ネクサス7の32GBモデル(2万4800円)の販売も開始した。

「新製品ウオッチャー」では、日経産業地域研究所が選んだ注目の新製品を、同業他社や販売店の担当者、評論家など3~5人の専門家が評価。新規性など12項目で競合製品(ベンチマーク商品)と比べた優劣を「非常に優れる」(6点)から「同等」(3点)、「非常に劣る」(0点)までの7段階で各専門家が採点し、その平均を算出しています。

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