ユナイテッドアローズが「試着予約」アプリを提供

2014/2/27付
保存
共有
印刷
その他

写真1 自社オンラインストアのスマホアプリ

写真1 自社オンラインストアのスマホアプリ

ユナイテッドアローズは2014年春に、試着予約サービスを開始する。これは顧客自身がパソコンやスマートフォン(スマホ)から商品の店頭在庫を検索し、気に入った商品があれば、希望する店舗での試着を予約できるサービスである。在庫の取り置きともいえ、ユナイテッドアローズは試着予約の依頼があった商品の在庫を先に引き当てておいて、指定の日時までに該当商品を店舗に用意しておく。

顧客は実際に試着してみて納得できれば、その場で購入できる。ネット通販のように、サイト上でいきなり購入手続きに進む必要はなく、店頭で購入を決めた段階で、支払いをすればよい。

試着予約の開始に先立ち、ユナイテッドアローズは2014年1月から、自社オンラインストアのスマホアプリの配布を開始している(写真1)。iOS版は提供済みで、3月上旬にはAndroid(アンドロイド)版を追加する予定だ。このスマホアプリでは、店頭の在庫検索機能をキラーコンテンツに据えている。

ユナイテッドアローズが在庫検索やその先にある試着予約に力点を置くのは、「最近は在庫検索まで済ませてから来店する『目的買い』のお客様が増えているため」と、相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長は語る(写真2)。顧客のなかにはスマホの画面を店員に見せて、「これください」と言ってくる人もいる。

写真2 相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長

写真2 相川慎太郎事業支援本部デジタルマーケティング部部長

ただし、そこで問題が発生することがある。店頭の在庫検索機能は、在庫データの更新頻度が今は1時間半に一度であるため、タイムラグが生じ、検索時点では在庫があったのに、来店してみたら売り切れという状況が起こり得るのだ。

相川部長によれば、店舗からは「在庫データの更新頻度をもっと上げてほしい」とか、今の機能のままなら「いっそのこと在庫検索は中止してほしい」との声が上がるようになったという。在庫があると思って来店したのに、なかった時の顧客の失望感は大きい。クレームにもつながる。

こうした現場の声を前向きに捉えると、「我々が認識している以上に、最近のお客様は在庫の有無を調べてから来店していると考えられる」(相川部長)。そうであるならば、「検索した時点で在庫がある商品は、試着予約という形で在庫を取り置きするサービスが必要だと考えた」(同)。目的買いの顧客は、商品があれば最終的に購入に至る確率が高いと考えられる。

こうすれば、来店したものの、既に売り切れていて「がっかりした」という場面はなくなる。「在庫データの更新をリアルタイムに近づけるというアプローチもあるが、おそらくそれでも、タッチの差で売り切れというケースは起こり得る。そこであらかじめ在庫を押さえてしまう試着予約が有効に機能するとみている」

現在、ユナイテッドアローズの売上高に占めるネット通販比率は約1割。同社はこの割合を高めることにはあまり注力していない。あくまでもスマホ利用者の店舗への誘導に力を入れる。

(日経コンピュータ 川又英紀)

[ITpro 2014年2月26日掲載]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]