きっかけはニコ動の提案だった。ニコ動は先週、14の政党の党首に対し、ニコ動内の生中継サービス「ニコニコ生放送(ニコ生)」の公開討論番組への参加を呼びかけた。場所はドワンゴが運営する東京・六本木のライブハウス「ニコファーレ」。希望日は29日夜としていた。
これに自民党の安倍晋三総裁が敏感に反応。24日夜、ニコ動側が正式発表する前の段階で「ニコニコ動画の場で、ぜひ野田(佳彦首相)さんと党首討論をしたい」と記者団に語り、自身のフェイスブックにも、こう投稿していた。
「野田首相が本日『私はいつでも、どこでも結構だ』と記者団に語ったそうです。11月29日に既に出演の要請を受けている『ニコニコ動画』の生中継で野田首相の申し入れに受けて立ちます!(テレビ局ですと各局の番組調整や公平性に問題があり、公示までの調整は難しい)」「勿論、インターネットで全国へ生中継されますし、相互に視聴者の方々の意見も反映される最もフェアな場所で決着を着けたいと思っています」
■「フルオープンで」と安住幹事長代行
しかし26日、安住幹事長代行は自民党に対して、野田首相と安倍総裁の党首討論を両党で主催し、「テレビ、新聞、インターネットなど、あらゆるメディアが取材可能なフルオープンな形で、都内のホテルで行いたい」と申し入れたことを明らかにした。
この中で安住幹事長代行は、ニコ動について「双方向と言いながら極めて偏った動画サイトに投稿を許すようなやり方は、逆に、これまでの良き伝統の党首討論を崩すと思う」と発言。ニコ動や安倍総裁の提案に乗ることには難色を示した。これに、ニコ動が怒ったというわけだ。