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海外投信で早期退職狙う若手投資家

続・個人投資家奮戦記(4)

 「目指せ! 脱日本株依存」というテーマでお届けしている本連載(続・個人投資家奮戦記)。今回(本連載の第4回)は、海外情報をいち早く知る努力をすることで、安定的に高いリターンを目指す若手投資家に焦点を当てる。運用のコツと、今後はどんな商品に注目しているかも聞いた。

宮坂康幸さん(仮名、32)は神戸在住の若手投資家だ。40~45歳の早期リタイアを夢見て、着実に外貨を運用している。2010~2011年の外貨運用による利益率は1ケタ台だったが、2012年に入ってプラス13%(8月末時点)と調子が上がってきた。

3つのインデックス投信を組み合わせる(基準価額)

狙いを定めたのは、コストの安いインデックス投信を使った積み立て投資である。具体的には、三菱UFJ投信が運用するインデックス投信シリーズ「eMAXIS」の中から「新興国債券」「新興国株式」「先進国株式」にそれぞれ積み立てている。信託報酬のコストが年率0.6%程度と比較的低いのが特徴だ。市場動向に合わせてこれらの組み入れ比率を変える。

例えば8月は、新興国株のインデックス投信を単月で5万円分、購入した。他のインデックス投信は買わなかった。新興国の株価指数は上値の重さも目立つが、米国の金融緩和や欧州債務懸念の後退によって再び新興国株が買われる時期が来ると判断。新興国株の比率を短期的に引き上げることにした。

評価益が8~10%に達したら売却し、利益を確定して積み重ねていく。インデックス投信を積み立てたまま放置しないのが、宮坂さんの基本的な姿勢である。

外貨運用の動機付けになったのは、学生時代の米国留学経験だ。ロサンゼルス郊外のパームスプリングスには富裕層の豪華な住居が立ち並び、高級車が行き交っていた。「日本の平均的サラリーマンは、頑張ってもせいぜい生涯3億円程度しか稼げない。理想とする40代前半のリタイアを目指すには、外貨による高リターン運用で蓄財する必要がある」と考えた。

得意の英語力を生かし、情報収集を怠らない。金融情報サイト「Yahoo! Finance」の米国版を中心に、英国・アイルランド版、豪州版を日々読みこなす。米国版では同サイトのトップページに掲載されている記事のほか、「INVESTING」「NEWS」などの欄にも注目するという。外国人の投資戦略が分かるコラム記事なども英語の勉強を兼ねて読む。その国の視点で市場がどう動いているかを感じ取り、投資に生かすためだという。

宮坂さんはここに注目している

宮坂さんが今後、積極的に資産を投じたいと考えているのはFX(外国為替証拠金)取引だ。以前は高レバレッジ(証拠金倍率)で短期の為替変動による収益機会を狙ったこともあったが、今後はレバレッジが3倍以下の低めのもので長期運用していきたいという。

低レバレッジによる長期運用は、このところ注目を集めている運用法だ。高金利通貨を買えばスワップポイント(金利差収入)が得られ、しかも短期的な為替変動で一喜一憂することも少なくなる。例えば、あるFX会社で豪ドルをレバレッジ5倍で購入した場合、16万円分の投資額で1日約80円のスワップポイントが付く。ただし、過去1年で1豪ドル=75~89円と変動幅が大きいことには注意が必要だ。長期的な通貨上昇を想定する必要はある。

それでも宮坂さんはFXを有力な資産運用手段の1つと見ている。「通貨やスワップポイントは各国の政策金利に敏感に反応するので、各国の報道を見て回る自分の習慣を生かせる」と考えるからだ。現状の外貨資産比率は全体の約半分。外貨運用を重要な投資手段に位置づけるのは、今後も変わらない。

(日経マネー 南毅)

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