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電力浪費の元凶 4つの設定変更で改善

スマホ「電池切れ」回避のツボ(1)

 「もうスマートフォン(スマホ)なしでは生活できない」。こんな声も聞こえてくるほど便利なスマホだが、「電池の持ちが悪い」ことに対するユーザーの不満は非常に大きい。本連載では、スマホのバッテリー消費に対する基礎知識や簡単にできて効果的な対策を紹介する。第1回は、徹底検証から見えたバッテリー浪費の「元凶」について説明しよう。

スマホへの不満は数あれど、誰もが共通して口にする最大の不満は「バッテリー」だろう。実際、BCNが2012年秋に実施したスマホに関する調査では、スマホの不満点の1位は断トツで「バッテリーの持ち」だった(図1図2)。

図1 スマホを日々使っていて一番気になるのは、「バッテリーの持続時間」だろう。2012年秋のBCNの調査結果でも、バッテリーへの不満は、「回線速度」、「タッチ操作や文字入力」などを抑えて1位。全体の70.7%が不満と答えた
図2 BCNの調査によると、スマホに対する不満は「バッテリーの持ち」が断トツでトップ。「回線速度」「タッチ操作や文字入力」への不満がそれに続く(これらのデータは、BCNが2012年9月から10月に実施した「スマートフォン・携帯電話の利用に関するアンケート」の結果。複数回答あり)

どんなに高性能のスマホでも、電池切れならタダの箱。電話もメールもウェブも何も使えなくなってしまう。

特に深刻なのは、1~2年以上前のバッテリー容量の小さい機種だ。出勤前にフル充電したのに、半日もたたないうちに電池切れになってしまうことも珍しくない。バッテリー切れを恐れて、できるだけ使用を控えている人もいるだろうが、それではせっかくのスマホが"宝の持ち腐れ"だ。

設定変更だけで3~4割の改善

そこで、この連載ではバッテリーの悩みを解消して、快適にスマホを使えるようにする方法を紹介しよう。

「バッテリーの容量は最初から決まっているから」とあきらめている人もいるだろうが、それは間違いだ。実は、スマホの設定を少し変更するだけで、バッテリーの無駄な消費は確実に抑えられる。

スマホは多機能なだけに、3G/LTE(long term evolution)、Wi-Fi、GPS(全地球測位システム)などさまざまな通信機能が常時動作しているうえ、バックグラウンドで動作しているアプリなども少なからずある。これらを不要なときはオフにするだけで、消費電力を抑えられるのだ。

論より証拠。実際に通信のオン・オフや画面の明るさの違いなどによって、スマホのバッテリーの減りがどのくらい変わってくるかを検証した[注1]

例えば「GPS機能」をオフにするだけで、3時間で9%も節電できる。画面の明るさ、アプリの停止などの設定変更を組み合わせると、3時間で3~4割程度の違いになる。

バッテリー消費の4大原因

一般に、電池消費の原因として挙げられるのは、「画面の明るさ」「通信機能」「アプリ」「おせっかい機能」の4つだ(図3)。だが、これまではどの要素がどのくらい影響するのかは、把握できていなかった。

図3 初期設定を見直すだけで、バッテリーの無駄使いはかなり減らせる。「画面の明るさ」「通信」「アプリ」「おせっかい機能」の4つの設定を変更すると効果大だ

また、ひと口に"通信機能"と言っても、3G/LTEやWi-Fi、GPS、Bluetoothなど複数ある。それぞれの影響を把握することで、優先的にオフにすべき項目が見えてくる。

最初に検証したのは、画面の明るさだ。予想通り、画面は明るければ明るいほど電力を消費する。自動消灯時間も、長いほうが消費は大きくなる(図4)。

電池の消費が大きいGPS

3G/LTEやWi-Fi、GPSなどの通信機能もオンのままだと電池を消費する。特にGPSは使用電力が大きく、電池の減りが早い。Wi-Fiも3G/LTE並みに電力を消費する。3G/LTEは基本的にオフにできないので、GPSとWi-Fiをこまめにオフにするとよいだろう。

なお、スマホが同じ基地局に接続し続けている場合は、消費電力は少なかった。通信機能は、接続可能なポイントを探すのに電池を消費しているようだ(図5)。同じ通信でもBluetoothの消費電力は少ない。イヤホン再生と変わらなかった。

図4 液晶や有機EL画面の利用は、バッテリーの消費に直結する。画面の明るさは明るいほど、また自動消灯時間が長いほど電力を消費する。画面を消灯しないまま最も明るい状態と暗い状態で比較したところ、3時間で7%の違いが出た
図5 通信機能はどれも電力を消費する。目立つのがGPSだ。3G/LTE、Wi-Fiは、特定のポイントに接続している場合はそれほど電池を消費しない。Bluetoothもオフにしたほうがよいが、音楽再生での消費電力はイヤホン利用時と変わらない

アプリ停止で7%の節電効果

スマホのアプリも、少なからず影響することがわかった。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)アプリなどのバックグラウンドでの動作を止めると、3時間で7%程度の節電になる(図6)。

自動同期機能などの"おせっかい"機能も電池を消費する。これを見直すことで少しだが消費を抑えられる(図7)。

図6 SNSアプリをインストールし、自動更新を有効にしたまま使ったところ、更新を停止した場合と比べ、3時間で7%の違いが出た
図7 自動回転や自動同期、バイブなどの「おせっかい機能」も使う分だけバッテリーを消費する。自動同期は、10分に1回、手動同期を行うのと同じくらい電力を消費している。また、回転やバイブなどのスマホ内部のセンサーやモーターを使う機能は、動作した分だけバッテリーを消費している
図8 スマホの電池残量は、標準ではイラストで表示されるが、アプリを入手して電池残量をより正確に把握しよう

電源管理アプリで残量を確認

設定を見直す際は、「Battery Mix」などの電源管理アプリを導入して電池残量を数値で確認するとよい。

Android(アンドロイド)では標準で、電池残量がイラストで表示されるが、これでは正確な数値がわかりにくいためだ。電源管理アプリを使えば、電池切れまでの予測時間やアプリごとの電池使用量も把握できる(図8図9)。

図9 アプリをインストールし、起動する(左図の1)。以降は、通知バーにバッテリー残量を数値で表したアイコンが表示される(2)。メイン画面(中央)で(1)を選択。電池残量の推移を示すグラフが現れる。電池切れや充電完了までの予測時間、画面や通信の使用履歴も確認できる(2)。メイン画面で右図の(1)(2)の順に操作する。起動中のアプリの時間ごとの電池使用量がわかる
[注1]サムスン電子製の「GALAXY S3」を利用して検証。(1)の自動消灯は、10分ごとに手動で点灯させた。(3)のアプリは、Twitter(更新間隔:5分)、Facebook(更新間隔:1時間)、Playストアの自動更新をオンにした状態とオフにした状態で比較。(4)のバイブは10分ごとに着信、回転は10分ごとに端末を回転させて検証した

(日経PC21 小野口哲、ゲイザー 坂戸亮介)

[日経PC21 4月号増刊『必ず使える!スマートフォン 2013年春号』を基に再構成]

[参考]日経PC21 4月号増刊『必ず使える!スマートフォン』(2013年3月14日発売)では、特集1「『バッテリー』の悩み解消!」、特集2「"ストレス"ゼロの『文字入力』ワザ」をはじめ、初心者から上級者までがスマホを快適に使いこなすための基礎知識やノウハウ、アプリなどを紹介している。

必ず使える!スマートフォン 2013年春号

著者:日経PC21編集部
出版:日経BP社
価格:680円(税込み)

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