静かに消えた「赤プリ」 高さ140mの超高層を美しく解体 13年の注目技術4位

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2013/12/5 7:00
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■解体材の地上搬送時に発電

「赤プリ」の解体工事は大成建設の新工法によって静かにビルが縮んでいった

「赤プリ」の解体工事は大成建設の新工法によって静かにビルが縮んでいった

「赤プリ」と呼ばれて親しまれた「グランドプリンスホテル赤坂」は、丹下健三氏が設計を手掛け、赤坂プリンスホテル(当時)の新館として1982年に完成した。ホテルの営業を終えたのは2011年3月。建て替えのため、2012年秋に解体を始めた。高さ約140m、地上40階建てで、国内で解体した建物としては最高の高さとなった。

一般に建物が高くなればなるほど、解体による騒音の拡散や粉じんの飛散、破片の落下を防ぐとともに、工事中に起こり得る地震や強風への備えが重要となる。テコレップシステムは、近隣の安全・安心の確保、環境への配慮、作業の効率化を同時に実現することを目指して開発された。

工事中の消費電力削減にも意欲的に取り組んだ。目新しいのは建物内に設置した荷降ろし用のクレーンだ。解体材を地上に運ぶ際、自由落下エネルギーを利用して発電する機能を持たせた。照明や散水などほかの装置を動かすのに利用した。

■「目立たないように美しく解体する」

2013年 社会にインパクトを与えた技術
1位:イプシロンの人工知能
2位:自動ブレーキ技術
3位:ゲリラ雷雨予測技術
4位:静かに消すビル解体技術
5位:ロボットスーツ(HAL)
6位:3Dプリンター
7位:直下地下切り替え工法
8位:遠隔がれき撤去技術
9位:IGZO(イグゾー)
10位:Hadoop(ハドゥープ)

※日経BP社の専門記者200人が挙げた300以上の技術の中から、4人の審査員が選出した

同システムを初めて採用したのは、東京・大手町にあった高さ100mの旧大手町フィナンシャルセンター。こちらは長方形の単純平面だったが、赤プリは翼を広げたようなV字形の平面を持つ。改良を重ね、複雑な形状の超高層ビルにも対応できるようにした。

開発者の大成建設建築技術開発部の市原英樹次長は、「目立たないように美しく解体することが、長年使われてきた建物への気遣いだ」と語っている。防音パネルに設けた採光窓を建物の窓の位置と同じ横方向に配置するなど、その存在ができるだけ目立たないように工夫。不安感を周囲に与えず、赤プリのイメージを保ったままスマートに縮ませた。

大成建設によると、国内にある高さ100m以上の超高層ビルは700棟以上。うち100棟以上が築20年を過ぎており、天井高や耐震性能の不足、周辺の再開発などによって、建て替えが選択肢の一つとなりつつある。2020年の五輪開催に向けて「東京大改造」の機運が高まっており、超高層ビルが解体されるケースは増えるとみられる。日本生まれの超高層解体技術は、世界中からやって来る人々にもクールに映るはずだ。

(ケンプラッツ 佐々木大輔)

[ケンプラッツ2013年10月30日付の記事を基に再構成]

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