次世代エネ、「周波数変換所を設置」「需要側で調整も」
「日本を元気にする産業技術会議」 都内でシンポ

2011/12/28 12:29
保存
共有
印刷
その他

産業技術総合研究所が主催する「日本を元気にする産業技術会議」(後援・日本経済新聞社)は13日、都内で「将来のエネルギーシステムと研究開発」をテーマにシンポジウムを開いた。荻本和彦・東京大学特任教授の基調講演に続き、産官学の6人のパネリストが再生可能エネルギーの未来像について討論した。普及に向けた研究開発の促進や次世代のエネルギー供給システムの競争力を高め世界に売り込む方策などを議論した。

■エネルギー対策は短期、中長期で分けるべき

東大の荻本特任教授は「エネルギーシステムインテグレーション」と題した基調講演で、東日本大震災後に深刻化するエネルギー需給の逼迫問題に言及。短期と中長期、それぞれ分けて対応策を考えるべきだと強調した。

再生可能エネルギーなどについて6人の識者が議論した。

再生可能エネルギーなどについて6人の識者が議論した。

中長期的な取り組みとして、東日本と西日本で異なる電気の周波数を変換する「周波数変換所」の設置を提案。日本全国で柔軟に電力を融通し合える環境をつくる必要性を訴えた。同時に「供給側だけで電力の逼迫に対応するのには限界がある」と指摘。出力変動が大きい再生可能エネルギーの普及で電力需給の調整力確保はますます重要になっていくとし、電力の需要側でも電力使用の調整を図るべきだと唱えた。

永田好生・日本経済新聞社編集委員がモデレーター(司会)を務めたパネルディスカッションでは、将来のエネルギーシステムに必要な将来技術を協議した。

経済産業省の吉田健一郎企画官は「太陽光発電など、官主導で投資してきた事業が着実に成長した」と、これまでの成果を例示。今後は「省庁間の連携が大きな課題」と述べ、2012年度から文部科学省と連携する「合同検討会」の設置を検討していることを明らかにした。

■求められる輸出競争力向上のための人材育成

大阪ガスの深野行義部長は、コージェネレーション(熱電併給)システムを活用したスマートハウスなどの取り組みを紹介。「系統電力と分散電源を組み合わせれば、大幅な省エネにつながる」と話し、他社との連携を進めながら実用化を目指す考えを示した。

JX日鉱日石エネルギーの斎藤健一郎部長も燃料電池を使ったエネルギー供給の取り組みなどを挙げ、大学などの共同研究にも力を入れている活動を解説した。

電力供給システムの輸出競争力を高めるためには、知的財産など、研究開発以外の分野にも目配せできる人材の育成が大切だとの意見で一致した。

[日経産業新聞2011年12月14日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]