イタリアで地震予知失敗の学者ら起訴 過失致死傷罪
【ローマ共同】309人が死亡、6万人以上が被災した2009年4月のイタリア中部地震で、最大被災地ラクイラの地裁予審判事は25日、同国防災庁付属の委員会が事前に大地震の兆候がないと判断したことが被害拡大につながったとして、過失致死傷の罪で委員会メンバーの学者ら7人を起訴した。
イタリアのメディアが伝えた。地震予知の失敗で刑事責任が問われるのは世界的にも異例とみられる。初公判は9月20日に開かれる。
検察側によると、専門家や防災庁幹部で構成される同委員会は、群発地震が続いていた中部の状況について、09年3月31日にラクイラで開いた会議の後、大地震に結び付く可能性は低いと報告。これに安心して避難しなかった多くの住民が6日後に起きた中部地震で死傷した。
被告側の弁護士は「不起訴は確実だと思っていたので信じられない。われわれの立場を主張していく」とコメントした。