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丸ごとレビュー 税抜き月額980円 KDDI回線使う格安LTE

ケイ・オプティコムの「mineo」を試す

フリーライター 竹内 亮介

ケイ・オプティコムは6月3日、月額980円(税別)でLTEを利用できるデータ通信サービス「mineo」(マイネオ)を開始した。ケイ・オプティコムは、KDDIの携帯電話回線を利用したMVNOとしては初めての存在だ。NTTドコモの回線を利用するほかのMVNOとの違いはどこにあるのか、本家KDDIのLTEとの速度差は存在するのかなどを検証してみた。

KDDIのMVNO、端末もKDDI向け

KDDIとしては初のMVNOとなるケイ・オプティコムが展開する「マイネオ」サービスをテストした

マイネオでは、980円で月1ギガバイトまでLTE回線を使ったデータ通信が行える「シングルタイプ」と、1590円でデータ通信と音声電話サービスが利用できる「デュアルタイプ」という2つのプランを用意する。75~150Mbpsと非常に高速なLTE回線で容量1ギガバイトまでの通信を行うと、以後は200kbpsまで通信速度が落ちる。こうしたプラン構成や速度規制は、今までのMVNOが提供しているサービスとほぼ同じだ。

マイネオがほかのMVNOと大きく異なる点の一つは、「KDDIの回線を利用すること」だ。これがどう影響するかというと、利用できる端末が変わる。ほかのMVNOは、ドコモから回線を借りて事業を行っており、利用できるのも原則的にはドコモの端末のみだ。そしてマイネオはKDDIの回線を借りているので、同じようにKDDIの端末を利用する。このほかにSIMフリーの端末も使えるが、日本ではあまり普及していない。

ケイ・オプティコムでは、マイネオ向けに「DIGNO M」(京セラ製)を販売している。KDDIが2013年11月に発売した、ちょっと世代の古いスマートフォンで、一括だと4万8000円、24カ月の分割払いだと月2000円だ。KDDIのオンラインショップだと一括で3万1000円なので、ちょっと高い。余っている端末を流用したり、中古ショップなどでKDDIの端末を調達したりする方がいいだろう。動作確認済みの端末はウェブサイト上で確認できる。

シングルタイプとデュアルタイプという2つのプランのみを提供し、わかりやすい
動作確認済みの端末リストをマイネオのウェブサイトで確認できる

利用エリアも問題なし

KDDIのLTE網を利用するので、通信可能範囲かどうかはKDDIのウェブサイトで確かめよう

マイネオのデータ通信サービスでは、KDDIのLTE回線のみを利用する。これもほかのMVNOにはない特徴だ。LTEと3Gの両方を利用できるほかのMVNOサービスと比べると、利用できる範囲が狭くなるのではないか、という印象を受けるかもしれないが、それは杞憂(きゆう)だ。

KDDIは14年3月、電波が回り込みやすくつながりやすい800メガヘルツ帯を利用するLTE基地局の人口カバー率が、99%に達したと発表した。山間部などもともと電波が届きにくい地域でない限り、つながらないことはまずないだろう。

届いたSIMカードは、iPhone5cなどのSIMカードスロットに差す

契約は、現行ではマイネオのウェブサイト経由のみとなる。筆者の場合は、シングルタイプを6月4日に申し込んで、2週間ほどでSIMカードが届いた。MVNOでは「回線を契約する」だけなので、ユーザーの手元には小さなSIMカードのみが届く。

マイネオでは、Androidスマートフォンでよく使われる「マイクロSIM」タイプと、iPhoneで使われる「ナノSIM」タイプを選択できる。使いたい端末のSIMカードスロットが、どちらのタイプに対応するのかを確かめてから申し込もう。

iPhone5cではこのように設定をダウンロードしてインストールするだけで良い

なお、ナノSIMをマイクロSIMなどに形状を変換できるアダプターも家電量販店などで購入できる。決められないならとりあえずナノSIMタイプにしてもいい。今回はナノSIMタイプを申し込んで「iPhone5c」(アップル製)や、変換アダプターを使って「エクスペリア Z ウルトラ SOL24」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)、「HTC J One HTL22」(HTC製)などに装着して試してみた。

SIMカードを差し替えるだけではマイネオのサービスは利用できない。スマートフォンやタブレットに対して、マイネオのネットワークに接続できるように設定する必要がある。

ウェブサイトにくわしい作業方法が記述されているのだが、AndroidスマートフォンではアクセスポイントやID、パスワードを正確に入力しなければならない。一方iPhoneでは、専用のサイトにアクセスし、設定をダウンロードしてインストールするだけなので非常に楽だった。

通信速度は本家KDDIと同等、テザリングも可能

設定作業が終わり、データ通信のアンテナマークがきちんと表示されれば準備は完了だ。今回は川崎駅前にあるショッピングセンター「ラゾーナ川崎プラザ」の中心にあるルーファ広場と筆者の自宅マンション内で通信テストを行った。通信テストで利用した端末はiPhone5cだ。「RBB TODAY SPEED TEST」で5回計測した数値を下記の表でまとめた。

ラゾーナ川崎プラザ川崎区のマンション
mineo
(下り/上り)
KDDI
(下り/上り)
mineo
(下り/上り)
KDDI
(下り/上り)
1回目5.17/7.2436.24/15.2313.36/10.1216.84/7.85
2回目6.24/6.6628.54/16.6616.81/12.4717.25/10.45
3回目5.45/8.1430.84/12.4716.71/8.1418.54/11.19
4回目6.32/5.5516.45/14.718.72/10.7817.65/9.34
5回目5.58/8.4225.97/16.1417.01/12.2818.17/12.78

ちょっと驚いたのは、自宅ではKDDI本家のLTE回線と速度がほとんど変わらないことだ。ドコモの回線を利用するMVNOの場合、ドコモ本家のLTEサービス「Xi」に比べると、通信速度が大幅に遅くなる。

例えば同じルーファ広場でテストしても、XiのSIMを差したスマートフォンでは20Mbps出るのに、OCNの「モバイル ONE」では4Mbpsが出るか出ないか、といった状況だ。通信する場所にもよるが、本家とほとんど変わらない速度で通信できるのは大きな魅力である。

ユーザーサポートサイトでは、利用したデータ量の確認やチャージが行える

またAndroidスマートフォンであれば、ほかの端末からインターネット接続環境を共有できる「テザリング」も利用できる。ドコモのMVNOサービスでは利用できないことが多いため、これもマイネオならではのメリットと言える。

マイネオで高速通信が行えるのはひと月あたり1ギガバイトまでだが、100メガバイトあたり150円で追加チャージが可能だ。マイネオのユーザーサイトでは、現在どのくらいのデータをやりとりしているのかが円グラフで表示される。また、1日ごとの通信データ量も確認できるので、どんな状況でどの程度使っているのかを確認しながら、最適なチャージ量を選択できる。

導入作業を簡単にするツールかアプリが欲しい

ウェブサイトに表記されているサービスの内容は、ほかのMVNOとほぼ同じだ。しかし実際に利用できる通信速度には大きな違いがあった。開始直後で提携しているサービス業者が少ないから、ということもあるだろうし、今後この速度が維持されるかどうかは不明だが、LTEらしい速度でインターネット接続が行えるのは、大きなメリットと言える。

ただ、Androidスマートフォンでのネットワーク接続設定作業はかなり面倒だった。これはマイネオに限った話ではないのだが、どうにかならないものか。例えば設定用のアプリからワンタッチでネットワーク設定を行うという流れだと、圧倒的に楽になるのだが。

携帯キャリア3社は同様の通話定額基本プランと、柔軟だが今までよりもさらに複雑になったデータ通信プランを導入する予定だ。家族丸ごとで加入するならまだしも、単身者は値上げになるパターンが多く、あまり望ましくないプラン改定ではある。

こうした中、マイネオのようなシンプルで低料金のMVNOサービスは、ますます存在感を増していくのは間違いない。その意味でも、導入作業をもっとわかりやすくして初心者がハードルを感じにくくすることが急務ではないだろうか。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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