もうだませない STAP細胞を追いつめたソーシャル調査
ブロガー 藤代 裕之

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2014/3/28 7:00
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ただ、いくつかの疑問や相次ぐ追試の失敗が報告されていても、2月中は新発見を確かめようというムードが強かった。科学の発見は何十年にもわたり確認されるためSTAP細胞についても検証されるのは通常のことだ。理研は3月5日にSTAP細胞の詳細な作製手順を公表した。だが、その後流れが変わる。作製手順が論文と異なっていた上、研究者の博士論文の剽窃(ひょうせつ)が明らかになったためだ。

■ネットが次々と問題を暴露

difff(デュフフ)による論文比較。左がNIH右が研究者の論文。大部分が白く剽窃であることが分かる。

difff(デュフフ)による論文比較。左がNIH右が研究者の論文。大部分が白く剽窃であることが分かる。

理研の対応を受けて投稿サイトスラッシュドットにSTAP細胞の実在を疑う詳しい書き込みがあった。さらに「論文捏造(ねつぞう)&研究不正」という名前のアカウントとブログが9日、ネイチャー論文の図が博士論文からの流用であること、さらに11日、研究者の博士論文はアメリカのNIH(米国立衛生研究所)のサイトと同じであること、さらに他の研究者からの論文のコピペを明らかにしていく。(参考 https://twitter.com/JuuichiJigen)

「論文捏造&研究不正」アカウントと一連のブログは生命科学系論文の捏造や不正に関する追及で実績がある。2013年には降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑を指摘している。

ネット上の動きと同じくして、日本分子生物学会は「単純なミスである可能性をはるかに超え、多くの科学者の疑念を招いている」との声明を発表した。著者の1人である若山照彦・山梨大教授は論文を撤回するように呼びかけた。

国内の研究者やサイエンスライターはツイッターやブログ、フェイスブックで発表時からさまざまに発言してきた。学会や教授の動きは突然出てきたわけでなく、ネット上の情報を知り、研究者の姿勢や論文に対して疑いを持ち、態度を変えていったといえるだろう。

理研は14日、内部調査の中間報告を発表した。この4時間にわたる中間発表も動画サイトで生中継された。野依良治理事長が「未熟な研究者」と指摘し、研究者が画像切り貼りをやってはいけないと認識していなかったなどと説明したことが分かり、この問題は博士論文を審査した早稲田大学に飛び火した。

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