2019年2月18日(月)

自由か脱落か インディゲームに魅せられた開発者たち
ジャーナリスト 新 清士

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2013/12/27 7:00
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 わずか数人のチームで、これまでにないゲーム開発を目指す――。そんなインディーズ(=インディ、独立系)ゲーム開発会社が続々と生まれている。海外では5年ほど前からインディゲーム開発熱が高まっていたが、日本にも今年その波が押し寄せてきた。長年勤務したゲーム会社を飛び出してインディゲーム開発に乗り出す人もいる。ゲーム開発者団体「2Dファンタジスタ」代表の渡辺雅央氏もそんな一人だ。競争の激しいゲーム業界で生き残っていくのは容易なことではないはず。インディゲームの何が開発者を引き付けるのか、その魅力を追った。

2Dファンタジスタ代表の渡辺雅央氏

2Dファンタジスタ代表の渡辺雅央氏

■積み上げたキャリア捨て参入

国際ゲーム開発者協会日本が12月21日に都内で開いたゲーム開発者向けセミナーで、渡辺氏は11月にiPhone向けにリリースしたゲーム「タップ・シーフ・ストーリー」の開発経緯について講演した。このゲームは、プレーヤーがかわいらしいシーフ(泥棒)になってリズムに合わせ通路を渡り、ベッドで眠っている宝箱の持ち主に気付かれないように宝箱までたどり着くまでを楽しむという内容だ。

2Dファンタジスタは4月に発足した。ゲームの企画とプログラム開発は主に渡辺氏が担当。グラフィックス作成や部分的な開発などで他に3人が参加、合計4人で開発した。ゲーム開発ツールは価格が安くて簡単に使用でき、それほど高性能でないパソコンでも十分にゲームが作れるという。こうした手ごろな開発ツールの普及が近年、インディゲーム開発が盛り上がってきた要因の一つだ。誰でも簡単にゲームを作れることが新しいインディゲームの登場を促している。

「タップ・シーフ・ストーリー」のゲーム画面

「タップ・シーフ・ストーリー」のゲーム画面

渡辺氏が直前に勤務していたサイバーコネクトツー(福岡市)は、人気漫画「NARUTO-ナルト-」を使ったアクションゲームなどで高く評価されている有力ゲーム開発会社の一つ。渡辺氏は同社でゲーム開発者としてのキャリアを順調に積んできた。

それでも独立を決めたのは「会社の創業者たちが偉大すぎて、このままでは永遠に追いつくことができない」(渡辺氏)という思いがあったからだという。同時にゲーム開発者として「自分の実力がどれくらいあるのかを試してみたいと思うようになった」(同)ことも大きな理由だ。

しかし、現実は甘くなかった。飛び出してすぐに、インディゲーム開発者の誰もが直面する壁に渡辺氏もぶつかった。それはゲーム開発中、日々の生活をどうやって維持するのかという現実的で切実な問題だ。ゲーム開発だけで食べて行ける状況には、まだまだほど遠いからだ。

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