スマホゲーム内の広告を「等価交換」 セガ、コストを圧縮
ジャーナリスト 新 清士

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2013/9/26 7:00
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スマートフォン(スマホ)向けソーシャルゲーム市場は急成長に伴ってゲームソフト数が増加し、ますます競争が激化している。ゲーム会社にとっては広告宣伝費の高騰が大きな負担だ。新作ゲームのリリース時には数千万円の費用がかかることも珍しくない。そんななか、ゲーム大手のセガがインターネット上で始めたユニークな広告システム「ノアパス」が関係者の関心を集めている。競合するゲーム会社どうしでゲーム画面内の広告宣伝枠を"等価交換"し、大幅なコスト圧縮を可能にするものだ。ライバルと手を組んでゲーム市場の厳しい環境に対抗しようという新たな試みに注目した。

今月19日から開催された「東京ゲームショウ2013」でもスマホ向けゲームが注目された

今月19日から開催された「東京ゲームショウ2013」でもスマホ向けゲームが注目された

■ランキング上位確保がヒットの条件

米アップルの「アップストア」や米グーグルの「グーグルプレイ」といったコンテンツ配信サービスを通じてリリースされるスマホ向けゲーム。日本における市場規模の明確な統計データは存在しない。ただ、ゲーム業界の関係者に尋ねると、実感として「昨年の2倍以上に急成長している」という意見が多い。

新作ゲームが次々に登場し、競争は激しさを増す一方だ。そこで、ゲームリリース時に配信サービスの「無料ダウンロードランキング」や「売り上げランキング」の上位に位置させ、ユーザーに認知してもらうことがヒットのカギになる。ゲームをダウンロードしてもらうには広告宣伝が欠かせず、広告代理店を使って数千万円かけることが当たり前になっている。ユーザーを維持するための広告宣伝費も毎月最低1000万円ほどかかるという状況だ。

セガの「チェインクロニクル」公式ページ。現在、自社タイトルの「シャイニング・ブレイド」とのクロスプロモーションを実施している。スマホでチェインクロニクルを始めるとこのキャンペーンが表示される

セガの「チェインクロニクル」公式ページ。現在、自社タイトルの「シャイニング・ブレイド」とのクロスプロモーションを実施している。スマホでチェインクロニクルを始めるとこのキャンペーンが表示される

こうしたなか、コストを少しでも抑えて広告の効率を高めるため、ゲーム各社は「クロスプロモーション」という手法を導入している。これは自社ゲームの画面内で自社の他のゲームを宣伝するものだ。自社のゲームユーザーに関心を持ってもらい、別のゲームもダウンロードしてもらう狙いだ。

現時点では最も低コストで効果のある広告手法として多くのゲーム会社が活用している。しかし、どのゲーム会社も、展開しているゲームソフトの数や自社ゲームのユーザー数は限られており、1社だけで展開する広告の効果は一定規模以上には広がりにくいという面がある。

こうした課題を解決する広告の仕組みとして注目されているのが、セガが今夏から本格的に始めた広告サービスのノアパスだ。これは、クロスプロモーションを他の企業との間で展開するという広告システムだ。自社のゲーム画面で他社のゲームの広告を、他社のゲーム画面で自社のゲームの広告をお互いに掲載し合うわけだ。

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