2019年8月23日(金)

KDDI研が新たな通信技術、周波数効率がLTEの3倍

2013/5/25付
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KDDI研究所が公開した「Advanced MIMO」技術の実演

KDDI研究所が公開した「Advanced MIMO」技術の実演

KDDI研究所は2013年5月23日、「Advanced MIMO(マイモ)」技術を開発したと発表した。高い周波数帯を利用する将来の移動通信システムを想定したもので、1セル当たりの周波数利用効率で最大20ビット/秒/Hzを達成した。同7.5ビット/秒/HzであるLTEの約3倍に当たる。

「いわゆる『マルチユーザーMIMO』技術を発展させたもの」(KDDI研究所)と位置付ける。LTEで用いている「シングルユーザーMIMO」では、端末が備えるアンテナの数と同じ本数のストリームしか使わない。今後は、3.5GHzといった高い周波数帯を移動通信システムに用いることが想定されており、周波数が高くなるにつれてアンテナが小さくなる。そこで、基地局のアンテナを増やし、ビーム・フォーミング技術を用いて複数の端末と並行してMIMO通信を行う「マルチユーザーMIMO」技術の開発が進んでいる。

Advanced MIMO技術を説明するパネル(その2)

Advanced MIMO技術を説明するパネル(その2)

Advanced MIMO技術を説明するパネル

Advanced MIMO技術を説明するパネル

KDDI研究所はマルチユーザーMIMOにおいて、個々の端末の詳細な電波受信状況を基地局にフィードバックし、それに応じて基地局が電波の発射状態を調整すれば、周波数利用効率をさらに高められると考えた。「ただし、電波受信状況を基地局に送るために上り回線を占有してしまっては意味がない。そこで、受信状況の情報を圧縮し、上り回線のトラフィックを浪費しないようにした」(KDDI研究所)という。

今回、KDDI研究所は、8本のアンテナを持つ基地局として動作する装置と2本のアンテナを持つ端末として動作する装置を有線で接続し、4台の端末と並行して2×2 MIMO通信を行う様子を見せた。20MHz幅の周波数を利用し、基地局の下り回線のスループットとして約375Mビット/秒を実現していた。

マルチユーザーMIMO関連の技術は、移動通信方式の標準化を推進する国際団体3GPPでも既に提案されている。しかし、これまでの提案は「詳細な電波の受信状況をフィードバックすることは考えておらず、周波数利用効率が10ビット/秒/Hz程度にとどまっていた」(KDDI研究所)という。KDDI研究所は今回開発したAdvanced MIMO技術を無線環境で検証するとともに、3GPPの「リリース13」に提案していく計画である。

(日経エレクトロニクス 竹居智久)

[Tech-On! 2013年5月24日掲載]

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