2019年2月19日(火)

失敗に学んだ成功 人気アプリ「スマートニュース」の開発秘話
ブロガー 藤代 裕之

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2013/12/27 7:00
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スマートモードへの移行画面。「すぐ読む」ボタンをクリックすると、ニュースの本文テキストのみが表示される

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事前に許諾を求めるべきだという指摘に対しては、「仕組み上、スマートニュースがどのサイトをピックアップしてくるのかは運営側にも分からない。無数のサイトに事前に許諾を求めることは事実上困難なのです」と浜本氏は打ち明ける。

アイティメディアの会長を務め、執行役員としてスマートニュースに加わった藤村厚夫氏は各社との交渉も担う。「時間をかけて丁寧に説明しているところ。興味を持っていただいている」。今、約40社との提携や協業が進んでいるという。

■社会的責任に向き合えるか

8月には有力ベンチャーキャピタルのグロービス・キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)から4億2000万円の出資を受け入れた。まだ収益はゼロにもかかわらずだ。藤村氏は「むしろもうけを頭に入れてしまうことが懸念」、鈴木氏も「収益はその次で、利便性を考えていく時期」と、利用者を増やすことに全力を挙げる。月間記事閲覧数は11月に約2億ページビュー。多くのスマホユーザーがスマートニュースを経由して記事を読むようになっている。

利用者が多くなってくると社会的な責任も高まってくる。藤村氏は「社会的な影響について考えなければいけない時期にきている。リアルタイム性が高いので間違った情報の伝播(でんぱ)に加担することがある。誤報を流通させてしまった場合の対応などの技術への投資を真剣に急がなければいけない」と述べる。鈴木氏は「誤報を閲覧した人に、訂正の記事を表示することは技術的に可能だ」と考えを明らかにした。

コンテンツへのただ乗り問題も完全に解決しているわけではない。RSSリーダーの全文読み込み機能や検索エンジンのキャッシュなどでも繰り返されてきた課題だ。いくつものサービスを開発してきたエンジニア浜本氏、情報社会の研究者としても知られる鈴木氏、メディア経営の経験が豊富な藤村氏が組み合わさったスマートニュースがどのような解を示すのか注目される。

藤代裕之(ふじしろ・ひろゆき)
ジャーナリスト・ブロガー。1973年徳島県生まれ、立教大学21世紀社会デザイン研究科修了。徳島新聞記者などを経て、ネット企業で新サービス立ち上げや研究開発支援を行う。法政大学社会学部准教授。2004年からブログ「ガ島通信」(http://d.hatena.ne.jp/gatonews/)を執筆、日本のアルファブロガーの1人として知られる。

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