2019年2月16日(土)

首相「経済好循環でデフレ脱却」 施政方針演説

2014/1/24付
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第186通常国会が24日召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で施政方針演説に臨んだ。4月の消費増税を控え、企業収益の伸びを雇用増や賃金・所得の上昇につなげる「経済の好循環」によりデフレ脱却を目指し、景気回復の実感の地方への波及を最重要課題と位置づけた。集団的自衛権の行使容認に向けて「対応を検討する」と言及するなど「安倍カラー」も打ち出した。

「経済の好循環の実現」へ決意。安倍首相、衆院本会議で施政方針演説(24日午後)

「経済の好循環の実現」へ決意。安倍首相、衆院本会議で施政方針演説(24日午後)

首相は「この国会に問われているのは『経済の好循環』の実現だ。景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けよう」と訴え、政府、経済界、労働界が一体となって賃金の上昇に取り組むべきだとの考えを強調した。

成長戦略では日本の潜在的な可能性を引き出すことに注力。「すべての女性が活躍できる社会をつくる」と語り、子育て支援など女性の社会進出策を中核に据えた。コメの生産調整(減反)の見直しなどの農業改革や観光振興に取り組む意向も明らかにした。

エネルギー政策では原子力規制委員会の安全基準を満たす原子力発電所を再稼働する考えを表明。「原発の依存度は可能な限り低減する」とも力説した。東京電力福島第1原発の廃炉・汚染水対策では国が前面に立つ姿勢を鮮明にした。

環太平洋経済連携協定(TPP)は「米国とともに交渉をリードし『攻めるべきは攻め、守るべきは守る』との原則の下、国益にかなう最善の判断をしていく」と早期妥結への意欲を示した。

「経済好循環でデフレ脱却」。衆院本会議で施政方針演説をする安倍首相(24日午後)

「経済好循環でデフレ脱却」。衆院本会議で施政方針演説をする安倍首相(24日午後)

4月の消費税率の引き上げに向けては「経済対策により持続的な経済成長を確保する」と主張。中小企業が増税分を価格に転嫁できる対策も講じる。「経済の再生なくして財政再建なし」として経済の好循環を税収増につなげ、財政健全化の目安になる国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2020年度までに黒字化する目標を掲げた。

外交・安全保障では国際社会の平和と安定に進んで貢献する「積極的平和主義」を掲げた。

同盟国など密接な関係を持つ国が攻撃を受けた場合、自国への攻撃と見なして反撃する集団的自衛権について12年12月の第2次安倍政権発足以降、国会演説で初めて言及する。歴代政権は憲法上行使は認められないとの立場を取ってきたが、「(有識者による政府の)『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の報告を踏まえ対応を検討する」と表明した。

昨年11月に中国が沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海上空に設定した防空識別圏に触れ「力による現状変更の試みは決して受け入れられない。毅然かつ冷静に対応していく」とけん制。一方で「対話のドアは常にオープンだ」として首脳会談を呼びかけた。

沖縄県の米軍普天間基地の移設問題では「名護市辺野古の埋め立て申請が(仲井真弘多知事に)承認されたことを受け、速やかな返還に向けて取り組む」と辺野古への移設に理解を求めた。地域の振興に取り組み、沖縄を世界一の技術革新拠点にする考えも示した。

国会対応では「政策の実現を目指す『責任野党』とは柔軟かつ真摯に政策協議をしていく」と強調。定数削減を含む衆院の選挙制度改革や憲法改正などへの協力を呼びかけた。

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