2019年9月21日(土)

ツイッターに顧客情報、人ごとでないリスクと教訓
ブロガー 藤代 裕之

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2011/1/27 7:00
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企業にとって、ソーシャルメディアの怖さを見せつけられた「事件」だった。1月上旬、ウェスティンホテル東京(東京・目黒)のアルバイト従業員が、ホテル内のレストランに来店したスポーツ選手とモデルの情報をミニブログの「Twitter(ツイッター)」で発信し、顧客のプライバシー暴露とネット上で批判を浴びた。ホテルはホームページで謝罪し、従業員の処分や教育を進めることを明らかにしたが、いったん失った信頼を取り戻すには時間がかかるだろう。

謝罪文が掲載されたウェスティンホテル東京のホームページ

謝罪文が掲載されたウェスティンホテル東京のホームページ

企業のソーシャルメディア活用では、顧客を無視した強引なマーケティング活動や情報発信をするとユーザーの反発を招くリスクがある。それだけでなく、従業員も個人で発信するメディアを持っており、たった一人の「つぶやき」が企業のイメージや評判に大きな影響を与えることもある。

ホテルが総支配人名で掲載した謝罪文によると、以前からすべての従業員に対して入社時に顧客情報の守秘義務についての研修を実施し、誓約書も取り付けていた。今後は従業員教育を再度徹底して再発防止に取り組むという。しかし、「プライバシーが守られる」というホテルの最大の信用に傷が付いた打撃は大きい。

似たような書き込みは以前にも存在した。九州のあるホテルでは、従業員がタレントの来店情報をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に書き込んだ。来店した有名人の陰口をツイートして、本人に見つかり信頼を失ったレストランもある。

今回はスポーツ紙だけでなく一般紙も「騒動」を報じた。企業側とすれば、「いままでは取り上げられなかったのに、なぜ今回は」と思うかもしれないが、同じ出来事でも社会状況によって取り上げられ方は変わる。ソーシャルメディアの利用が広がるにつれマスメディアの注目度も高まっている。ソーシャルメディアを通じた情報漏洩は社会事象としてニュース価値が高いと判断したのだろう。

■「企業の日常」が透けてしまう怖さ

ソーシャルメディアの普及は、どんな企業においても「人ごと」ではない。特に注意する必要があるのは、「企業の日常」が透けて見えてしまうという問題だ。

ソーシャルメディアは「リアル」と切り離されているわけではない。今回のホテルのアルバイト従業員は、顧客情報のほかに社員の素行や職場の不満などもネット上に書き込んでいたようだ。従業員個人の不始末にとどまらず、職場の規律の緩みや雰囲気の悪さ、従業員の質といったホテルの価値を作り上げている部分まで疑われてしまった。

企業はこうしたリスクをどうすれば防げるのか。

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