2019年5月26日(日)

仮想映像をリアルに ソニー「拡張現実」が開く新市場
ジャーナリスト 新 清士

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2013/7/25 7:00
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NTTドコモが主催したイベント「初音ミクARステージ」が7月16~21日、六本木ヒルズ(東京・港)で開かれた。ボーカロイド(歌声合成ソフト)の人気キャラクター「初音ミク」をモチーフとしたスマートフォン(スマホ)の販促活動の一環だ。スマホやタブレット(多機能携帯端末)、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の携帯ゲーム機「プレイステーション(PS)ヴィータ」を利用し、現実の世界にコンピューターグラフィックス(CG)を合成するAR(拡張現実)を楽しめる大規模なイベントだった。今回、技術面での"主役"はソニー。イベント取材を通して、ARをはじめとするソニーのユニークな新技術が今後、どう用途を広げていくかを展望した。

■実在の場所で初音ミクが歌って踊る

「初音ミクARステージ」の様子。タブレットにコンサートの様子を表示してみた

「初音ミクARステージ」の様子。タブレットにコンサートの様子を表示してみた

イベントの舞台は、地下鉄の駅から六本木ヒルズに向かう長いエスカレーターを覆う「メトロハット」。毎日午後7時半から11時までの一定時間ごとに、メトロハットの外壁に初音ミクが登場し、歌とダンスを披露するのだ。現実の風景には全く何の変化もないが、端末のモニターにはあたかも実際にライブをしているかのような映像が表示される。周辺では、5分ほどの映像に多くの人が見入っていた。

メトロハットの武骨な柱の間には初音ミクの姿を描いたポスターがモザイク模様のように貼られ、夜の街の光の中でぼんやりと浮かび上がる。そこに向けて多くの人たちが端末のカメラを向け、モニターを凝視している。

モニターに表示されるカウントダウンが終了すると、映像の中ではメトロハットが割れ、中から宙を舞う初音ミクが登場する。初音ミクはダンスと歌を続けながら空中を飛び回る。やがてメトロハットの上に巨大な初音ミクが登場。六本木ヒルズを背景に歌はさらに盛り上がり、花火が打ち上げられてクライマックスへと向かう。

こうした映像が流れている間に端末から目をそらしてメトロハットを見ても、当然のことながら何の変化も起きていない。初音ミクが宙を舞う派手なライブは、あくまでも端末の中での出来事だからだ。

■どこにでもARを出現させるターゲット認識

初音ミクのライブ映像は、ドコモが事前に用意した貸し出し用のアンドロイド端末で見ることができる。ただ、貸し出し場所にはかなり長い順番待ちの行列ができていた。対応端末を持っている人なら事前に専用ソフトウエアをダウンロードして見られるため、自分の端末を使っている人も多かった。イベント内容は口コミでどんどん広がったようで、夜遅くまで人波が途切れることはなかった。

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