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匿名でも油断大敵 Twitterの情報流出防止策

ソーシャル活用の新常識(4)

 Twitter(ツイッター)の魅力は、思いついたことや感じたことなどを、気軽に発信できることです。匿名性の高さも特徴ですが、情報流出を防ぐために気をつけるべきポイントはあります。ソーシャルメディアの動向を伝えるウェブサイト「SMMLab」の担当者がTwitter活用の注意点を解説します。

この連載の第2回で紹介した「Google+」はメールや検索といったインターネット上の行動と関連付けをしやすい性質があります。第3回で採り上げた「Facebook」は実名登録を原則としており、リアルな人間関係をWeb上に再現するという性質があります。

一方、Twitter(ツイッター)は日本では匿名で利用されることが多く、見知らぬ人とも興味・関心で"ゆるく"つながることができるソーシャルメディアです。インターネットならではのオープンなネットワークを気軽に楽しめるコミュニケーションツールとして人気があります。

「匿名」が油断を招く

Twitterアカウントの設定はシンプルです。アカウントを登録する時は、名前やメールアドレス、パスワードを入力しますが、名前は実名でなくてもニックネームなども可能で、いつでも変更できます。利用に当たっては、ログイン時やユーザーページのURL(http://twitter.com/[ユーザー名]/)に使われる「ユーザー名」を、別途指定します。

Twitterサイトのトップページ。登録項目は名前とメールアドレス、パスワードだけ

自分を示すアイコンも、顔写真ではなくイラストなど本人が特定できない画像を使っている人が多いようです。表向きは個人を特定しづらく、匿名性が高いのは確かです。Twitterでは、利用者が匿名性の高さに油断して、トラブルを引き起こすことが多いのが特徴です。

Twitterで無用なトラブルに巻き込まれないためには、「自分の情報がどこまで公開されるのか」をしっかり理解することがポイントです。Twitterにおける初期設定の「落とし穴」を確認してみましょう。

Twitterのセキュリティーとプライバシーに関する設定は、設定メニュー(右上の歯車マークのプルダウンメニューから選択)で変更できます。

Twitterの「セキュリティとプライバシー」設定

Twitterで特に気をつけたいポイントは、3つあります。順に説明しましょう。

【ポイントその1】公開・非公開の設定

Twitterでは、自分の書き込み(「ツイート」と言います)を全部公開するか、全部非公開(鍵付き)にするかを選択できます。ただし、Facebookなどのように、部分的に公開範囲を指定することはできません。

公開設定でのツイートは、Twitterの中だけでなく、インターネット上のどこからでも検索することができ、誰でも見ることができます。例えば、Yahoo! JAPANの「リアルタイム検索」[注]で「なう」(「今◯◯している」といった意味で使われるネット用語)というキーワードで検索してみてください。今、このタイミングで「どこにいる」「何をしている」「誰と一緒にいる」とツイートしているアカウントが、たくさん表示されるでしょう。

そのうち1つをクリックしてみると、当該アカウントの過去のツイートも見ることができてしまいます。見知らぬ人でも、当該アカウントを持つ人がどんな生活をしているのかをのぞき見ることができてしまうのです。

[注]Yahoo! JAPAN「リアルタイム検索」のURLは、http://search.yahoo.co.jp/realtime

つまり、ユーザー名が匿名でアイコンがイラストであったとしても、ツイートされた状況をつなぎ合わせることで、個人を特定できる可能性があるということです。実際に、ネット上の電子掲示板では、悪ふざけ投稿をしているアカウントについて、過去のツイートから個人を特定して非難する投稿も少なくありません。

だからといって、非公開にすればいいかというと、それではTwitterならではのオープンなコミュニケーションを楽しむことができません。Twitterには不特定多数に知られたくないプライベートなことや、仕事の愚痴、他人の悪口などは書き込まないようにした方がいいでしょう。

また、非公開設定を解除すると、それ以前に非公開だったツイートが公開されてしまうことにも注意が必要です。

【ポイントその2】「位置情報を追加」のチェックを外す

リアルタイムの居場所が不特定多数の人に知られてしまうことによるリスクは無視できません。留守を狙った空き巣や、ストーカーなど犯罪につながることもあり、想像以上に危険です。業務時間内なら、取引先の所在地が分かっただけで守秘義務違反に問われてしまうかもしれません。

設定では「ツイートに位置情報を追加」の項目のチェックを外しておくべきでしょう。ツイートごとに位置情報を付与する設定をオンにできるので、いったんオンにした設定をそのままにしないように注意しましょう。

Twitterはモバイルで利用することが多いサービスです。モバイルデバイス(スマートフォンやタブレット端末)側での設定もチェックしておきましょう。さらに、Facebookやmixiなど他のSNSや、位置情報を利用した他のサービスとアカウント連携させたり、位置情報が付与された画像を投稿したりする際は、連携先サービスの設定も確認してください。

iPhoneではプライバシー設定の「位置情報サービス」で、Twitterのスイッチをオフにした状態のまま、位置情報を付与しようとするとエラーメッセージが出ます。

iPhoneでの位置情報サービス設定画面

ツイートに位置情報を追加しなくても、居場所が分かってしまうツイートもあります。例えば、以下の写真を見てください。

街角の写真から居場所がバレてしまう場合も

何気ない街角の写真ですが、SLなどが写っているので、「おそらく東京・新橋駅前にいるのだろう」と分かってしまいます。東京タワーのような特徴的な建造物や目印になるような地形的特徴が写り込んだ写真を投稿する時は要注意。落雷、集中豪雨、虹など位置が限定的な現象についてのツイートからも居場所を特定できてしまうことがあります。

【ポイントその3】メールアドレスからの検索

Twitterでは、メールアドレスを入力してアカウントを検索することができます。これは、友人を探すのに便利な機能ですが、逆にアドレスからアカウントを特定できてしまうリスクがあります。何気なく取引先の担当者のメールアドレスを検索したら、自分の悪口をツイートしているアカウントが出てきた…などという事態も考えられます。逆に、取引先の担当者がメールアドレスで検索して、自分のアカウントを見つける可能性も当然あります。

そういう事態を避けたいなら、「他のユーザーがメールアドレスから検索可能にする」のチェックはオフにしておきましょう。

Twitterのセキュリティーやプライバシーに関する設定で注意すべき点は、この3つにほぼ集約されます。TwitterはGoogleやFacebookに比べても注意点が少なく、気軽な気持ちで利用できるサービスと言えるでしょう。一方で、最長でも140字という短い文章がリアルタイムに書き込まれていくタイムライン(ツイートの流れ)を眺めていると、不思議な高揚感が生まれることがあるのもTwitterの特徴です。

さらに「リプライ」という返信方法もTwitter独自のものですが、これは、1対1の会話をしているという錯覚につながりがちで、注意が必要です。例えば「daredare」というアカウントのツイートをAさんが受けて、それに対して返事を送るときにTwitterでは「@daredare 返信文です」という形式で書きます。ただし、この「@daredare 返信文です」という文章は@daredareさん以外の人(厳密に言うと、Aさんのアカウントと、daredareの両方を「フォロー」している人)にも公開されています。

問われる利用者の自覚

Twitterは数あるソーシャルメディア関連サービスの中でも、利用者の自覚が最も問われるサービスだと言えるかもしれません。自分が発信しようとしている内容が、不特定多数の人に見られても大丈夫な情報か、ひと呼吸置いてからツイートしましょう。特に、お酒に酔っている時や眠い時、感情的になっている時などのツイートはくれぐれも注意しましょう。

藤田和重(ふじた・かずえ)
 ラジオ番組制作や音楽制作マネジメントを経験後、2008年アライドアーキテクツ入社。現在はソーシャルメディアマーケティングに関する国内外のニュースや事例、運用のヒントなど掲載するウェブサイト「SMMLab」編集長を務める。
大森麗奈(おおもり・れいな)
 早稲田大学社会科学部卒業後、ファッション誌等のライターとして活動。グローバル企業のSNSアカウント運用を経験後、2013年アライドアーキテクツ入社。「SMMLab」で記事を執筆。

[ITpro 2013年11月28日付の記事を基に再構成]

(次回は1月7日に掲載)

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