Wi-Fi搭載ミラーレス一眼 女性層の取り込み期待
ソニー「α NEX-5R」

ソニーは「α」シリーズで初めてWi-Fi機能を搭載したミラーレス一眼カメラ「NEX-5R」を2012年11月16日に発売した。併せて提供開始したアプリケーションダウンロードサービス「PlayMemories Camera Apps」を利用して、スマートフォンからのリモート撮影や、スマートフォンやタブレット端末を通じて画像をSNSに直接投稿することもできる。カメラ内で撮影写真のトリミングや明るさ調整などができる「フォトレタッチ」なども含め、好みに応じて追加できる6つのアプリ(うち2つは有料)を用意した。
合焦精度の高い従来のコントラスト検出方式オートフォーカス(AF)に加えて、動く被写体への追従性と高速性に優れた位相差検出方式AFを新たに搭載、フォーカスの速度と精度を両立させた。これにより、AFでピントを合わせながら毎秒10コマの高速連写を可能とした。
液晶モニターはタッチパネル方式でシャッターまで切ることができ、ボディーの上方向に上げて180度回転させて自分撮りもできる。APS-Cサイズの大型イメージセンサーと進化した画像処理エンジンにより、高画質で美しいボケ味や、きめ細かな階調表現、低ノイズの撮影を基本とする。
レンズキットには従来と比べ長さや重さを抑えたズームレンズを採用し、小型化を一段と進めた。色はシルバー、ブラック、ホワイト(本体のみの場合はブラックだけ)。実売価格は6万5000円前後(レンズキット)、当初の月産は3万5000台。
【日経産業地域研究所研究員の視点】

「NEX-5R」はソニーのミラーレス一眼の人気機種「5N」の後継機。ミラーレス一眼といえば女性の支持が高いことで知られるが、同社によると、「5Nの購買層の主体は男性だった」。今回の製品は、高画質を維持したより小型の機種を望む女性の声に応えたもので、「コンパクトデジカメからのステップアップを狙う女性層を取り込みたい」という。
ミラーレスカメラでは撮像素子が大きめのAPS-Cサイズを用いながら、薄型レンズを使用するなど小型化を一段と進めた。Wi-Fi機能の搭載によりスマホなどと連携し、撮影や編集の利便性を高めた。液晶モニターはタッチパネル方式で、回転させて自分撮りもできるという女性受けしそうな機能をふんだんに盛り込んでいる。NEXシリーズのなかの低価格帯製品の「F3」とともに、女性ユーザーの拡大が期待される。
価格 | 実売6万5000円前後(レンズキット) |
販売目標 | 当初月産3万5000台 |
発売 | 2012年11月16日 |
撮像素子 | APS-Cサイズ(23.5×15.6mm)CMOSセンサー |
有効画素数 | 約1610万画素 |
ISO感度 | 100~25600 |
連写速度 | 最高約10コマ/秒 |
液晶モニター | 3.0型TFT(約92万ドット) |
Wi-Fi機能 | スマートフォン転送、PC保存、TV観賞、PlayMemories Camera Apps |
サイズ、重さ | 約110.8×58.8×38.9mm、約276g(ボディーのみ、バッテリーなど含む) |
記録媒体 | メモリースティックPRO/PRO-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCメモリーカード |
【ベンチマーク商品】
キヤノン初のミラーレス一眼カメラ「イオス M」。APS-CサイズCMOSセンサー(有効画素数約1800万画素)。ISO感度は100~12800(25600まで拡張可)。連写速度は最大約4.3コマ/秒。3.0型TFT液晶(約104万ドット)。約108.6×66.5×32.3mm。約298g(ボディーのみ、バッテリーなど含む)。記録媒体はSD/SDHC/SDXCメモリーカード。カラーはブラック、シルバー、レッド、ホワイト(本体のみの場合はブラックだけ)。2012年9月29日発売。実売6万円前後(レンズキット)。
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