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1票の格差、「地方優遇」7割が反対

クイックVote第106回解説 編集委員 大石格

衆参両院選における選挙区ごとの1票の格差はどこまで許されるのか。定数配分は純粋に人口比で決めるべきだとの回答が73%を占め、人口の少ない地方を優遇する仕組みを支持する回答を大きく上回りました。

衆院での「都道府県に各1議席与えたうえで残りを人口比配分」、参院での「都道府県単位の選挙区」という現行選挙制度に最高裁はいずれも「違憲状態」との判決を出したのですから、日本の法制度からいえば「地方優遇」は全否定されたといってよいでしょう。

読者の大半がこの考えを支持するのは当然です。それだけに4人に1人の割合よりも多い26%超が地方優遇に賛同したのはむしろ多いといってもよいかもしれません。

地方では生活を維持できない限界集落も増え、もはや地域活性化のメドが全く立たない地域も増えています。何か対策を国に求めようにも、現行選挙制度ではそういう地域からはもはや国会議員を送り出すことは難しくなりつつあります。

そもそもはどこの選挙区から選ばれたかにかかわらず全国会議員が国全体のことを考えて行動するればよいのですが、言うはやすく、行うは難しというところです。

では、読者のコメントみてみましょう。まずは「純粋に人口比」派です。

○国民としての最大の権利である1票に格差が認められてよいはずがない(62歳、男性)

○1票の格差を正当化する政策判断はあり得ない(51歳、男性)

○国会議員は国のために働くべきだ(48歳、男性)

○地方の定義が難しく、新たな格差を生む(50歳、女性)

フェイスブックでもコメントを募ったところ、同じような意見が寄せられました。

○絶対に受け入れちゃいけない問題。地方ばかりが1人の権利を確保できて、都市部が1人以下なんておかしいです

○そもそもひとりひとりの意見の重さが違うなど、あってはならないことです。地方と都市という色分け自体も画一的で、意味をなしていない。地方票の重さが必要だとするのは、何を根拠にそう言うのでしょうか。一次産業の衰退を引き起こしたのは、一票の重さでのさばってきた族議員たちがさまざまに政治の足をひっぱってきたからではないのでしょうか。(首都圏在住)

 まさにその通りです。

ただ、地方の意見を反映できるような配慮を示している読者もいました。

○衆院は格差をなくし、参院は地域の事情を勘案する(49歳、男性)

○地方振興は分権を進めることで解決できる(32歳、男性)

などです。

次に地方優遇派です。

○人口だけで選ぶならば地方はますます過疎化する(35歳、男性)

○人口と面積を掛け合わせた計算方法で選ぶ(52歳、男性)

○県境に関係ない区割りがよい。都道府県横断的に議員を選出する(54歳、男性)

などです。

「そもそも国会議員が多すぎる」「参院は不要」など設問と直接関係ない書き込みも散見されました。政治家や政治そのものへの不信感は相当なものです。

フェイスブックではこんなコメントもありました。

○選んだ議員は国会も開かず、決めることを決めず、民意からどんどん離れて自分等の選挙のことしか考えていませんよね。国民の政治離れが進み、選挙にもいかない国民が増えて1票の格差がどうとか、関係ないような~

○少しでも(格差を)縮めるべき。いつも解散・首相交代のことばかりが最重要焦点の政治になっていて、何年も同じ問題が未解決のまま残っている。こういうことがあるから政治離れが進み、投票したくなくなるんです。

ところで、読者は格差についてどの程度まで容認できると考えているのでしょうか。地方優遇に理解ある回答がそれなりにあっても、倍率を聞かれると2倍超は認めないと答えるのだろう。そう予測していた通りの結果でした。

衆院は純粋人口比が望ましいというのは最高裁だけでなく、憲法学会もほぼ一致しています。しかも2倍以内ならば1票の価値は同じというのが通説ですが、念のため1.5倍という設問も設けたところ62%がこの一番厳しい基準を選びました。

コメントを読むと

○1.0倍あるのみ(56歳、男性)

○1.1倍でも違法(65歳、男性)

など極めて厳格なルールを求める書き込みが多数ありました。

全国区の比例代表制ならば格差は完全に解消します。しかし小選挙区制のもとで格差ゼロにするためには行政か区画を取っ払い、何丁目どころか、何番地の単位で選挙ごとに境目を移動させなくてはならなくなります。自分の住所が選挙ごとに東京1区と2区と3区を行ったり来たりするのが有権者にとって本当によいことなのか。

 フェイスブックにはこんなご指摘も寄せられました。

○格差なくすなら全国区の比例代表制しかないでしょ!(でも)それでホントにいいの? 投票率が20%もないような選挙が本当に有効なのか?

回答総数2020
男性95%
女性5%
20代6%
30代15%
40代21%
50代26%
60代24%
70代8%
80代以上1%

米国のように10年ごとの国勢調査を基準とし、その間に激変があっても区割りを変えない、というやり方も一案なのでしょう。

衆院に2.5倍以上の差を容認した方の回答は

○選挙のたびに選挙区を変更するのはやり過ぎ(73歳、男性)

というのもありました。

参院に関しても8割近い読者が2倍以内を求めました。今回の判決で「違憲状態」とされた5倍超でもよい人は7%でした。5倍超OKの方のコメントを読むと

○都道府県に各1~2議席(45歳、男性)

○小さな県でも最低1議席(73歳、男性)

などでした。各州とも上院議員は2人ずつという米国が念頭にあるのでしょう。向こうは州ごとに法制度も別々なので都道府県と一緒にはできませんが。

野田内閣の支持率は28.7%で、22.9%まで落ち込んだ2週間前よりやや上向きました。とはいえ締め切り直前に田中慶秋法相の辞任がありました。調査期間が少しずれていたら、もっと悲惨な結果になっていたかもしれません。

「短期間で日本の首相を変えるのは好ましくない」(62歳、男性)という意見もありましたが、支持しない方のコメントは「何を支持しろというのか」(50歳、男性)など容赦ない内容がほとんどでした。

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