13年CM露出、トップは剛力 飛躍の裏に「モバイル」
日経エンタテインメント!
2013年のタレント別テレビCM露出量ランキングが、2014年3月に調査会社のビデオリサーチから発表された。これはタレント別に出演しているCMの年間出稿秒数を集計したもので、1位は、KDDI「au」や山崎製パン「ランチパック」などに出演の剛力彩芽。2012年度の3位からアップして、初の1位となった。2位はソフトバンクモバイル、アサヒビール「クリアアサヒ」などに出演の上戸彩。2012年度まで2年連続1位の座は譲ったが変わらぬ露出ぶりを示した。
トップの剛力彩芽は2011年にフジテレビの月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』で脚光を浴び、2012年からCM出演社数を急伸させていた。2013年もそのまま各社の契約が延長され、KDDI、山崎製パン、ヤクルト「ジョア」など、定期的に新バージョンを大量オンエアする企業が多かったことから、露出を大幅に増やす結果となった。
au出演者が軒並み上位に
ランキング上位には、出稿量が多い携帯電話会社や通信系企業のCMに出演したタレントが並んだ。上戸の代表CMとも言えるソフトバンクモバイルが「白戸家」のファミリーを中心とした固定メンバーとなっているのに対し、剛力が出演するauは、多彩なキャラクターとの組み合わせで展開するのが特色。剛力と共演した井川遥、森三中、前田旺志郎(「まえだまえだ」の弟)、きゃりーぱみゅぱみゅもベスト20にランクインしている。また、7位の高田純次、10位の佐々木希、16位のバナナマンはウィルコム「だれとでも定額」で共演。AKB48からは20位までに5人が入ったが、いずれもNTTドコモ「応援学割」でドコモダケにふんしていたメンバーだ。

2012年2位だった武井咲は、2013年は5位に順位を落とした。剛力・上戸・武井は、3人とも同じオスカープロモーションに所属する。同社は多くのCMに出演することで知名度と親しみやすさを浸透させる手法を採るとされている。
武井もイオンでのCM露出が多いほか、2013年もモブキャスト「モバプロ」など新規CMに起用されて、剛力と並ぶ「CM女王」のイメージが依然強い。しかし、携帯会社のCMに出演していなかったことで、出稿秒数では差がついた。
3位の井川遥は、2012年の53位から大幅上昇。auに出演したことが最大の要因だが、その後、2014年からは菅野美穂に代わって、サントリー角ハイボールにも起用されるなど、37歳とは思えないアンチエイジングで「大人キレイ」な女優として再び注目を浴びている。
上位20人に男性はわずか6人、中心はベテラン
1位から6位まではすべて女性で、上位20人までに男性は6人だけだった。それも高田純次(67歳)・役所広司(58歳)・阿部寛(49歳)といったベテランが目立つ。
女性は剛力・上戸・大島優子・武井など上位に20代が並んでいるのと比べて、男性の20代30代でランクインしたのは、32歳の嵐の櫻井翔と向井理の2人だけ。
出稿量が多いCMの起用には、幅広い層に支持されている「お茶の間の人気者」であることが必要条件となる。女優や女性アイドルは男女両方に支持されるケースが多いが、男性タレントは女性支持が中心になる傾向があり、どうしても、安定して知名度が高いベテランの起用が多くなるのだろう。人気を伸ばしている福士蒼汰、東出昌大らが、今後どこまでCM出演を増やせるかに注目が集まる。
(ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2014年5月号の記事を基に再構成]
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