2019年2月16日(土)

グーグルがアンドロイドで破壊した通信会社の「秩序」
「ガラケー」はなぜ負けたのか(3)

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2011/5/23 15:40
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この7月、コンピューター用基本ソフト(OS)「Linux(リナックス)」をベースとする携帯電話ソフトの最新技術が無償公開される。NTTドコモや英ボーダフォンなど6社が1997年に立ち上げたリモファウンデーションがプラットフォーム(基盤)「Limo(リモ)」を全面刷新。これまで組織内に閉じていたものを、誰でも自由に改変できる「オープンソース」に転換するのだ。

■リモの大転換、オープンソースに賭け

Limoには国産メーカーのNTTドコモ向け携帯電話の一部が準拠してきた。現在では全世界で約30機種が準拠している。リモファウンデーションは通信会社主導で業界標準のプラットフォームを作ろうという狙いで活動してきたが、それは日本国内でのみ通用する技術の固まりである「ガラパゴス携帯(ガラケー)」を温存する土壌とも密接にかかわってきた。ガラケーはカメラやネット接続の特別機能(フィーチャー)を持つことから「フィーチャーフォン」とも呼ばれてきた。

7月に公開する最新版は、韓国サムスン電子がボーダフォン向けに開発した端末「360 H1」で使っていたプラットフォームを転用する。グーグルが携帯電話向けOSの「Android(アンドロイド)」を普及させるためにとったアプローチと同じオープンソースにすることで、汎用性の高い携帯向けのソフト基盤を用意し、どのメーカーでも容易に端末を開発できるようにする。

この大きな方針転換の背景には、アンドロイドの攻勢でLimo仕様の携帯電話のシェアが高まらないことへの危機感がある。

「最近はほとんど"死に体"といってもいい状況だった」――。リモに対して厳しい指摘をする関係者は少なくない。「アンドロイドの登場から2年くらいかけてプラットフォームとしてどんな方向性を打ち出すか議論してきた」(ドコモプロダクト部の浦川康孝アライアンス企画担当部長)というが、オープンソース化は賭けでもある。今回の刷新で「従来のプラットフォームとの継続性が断絶する」(浦川部長)からだ。過去に築いてきた資産を捨ててまで、新しい体系を作らなければアンドロイドに対抗できないと考えたのだ。

リモとは別に、ドコモ自身も長い時間をかけて独自の携帯プラットフォームを構築し、携帯電話メーカー向けに提供してきた。リナックスベースとSymbian(シンビアン)ベースがあるが、リナックスベースでは、NECカシオモバイルコミュニケーションズ(旧NEC)とパナソニックモバイルコミュニケーションズが、開発している。2社ともドコモが中心となって開発した「OPP(オペレータパック)」というプラットフォームを使用。OPPとは、従来の「MOAP」と呼ぶミドルウエアを進化させたものだ。

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「ガラケー」はなぜ負けたのか?

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