「8K」も登場、患者負担軽減する内視鏡手術最前線

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2014/5/8 7:00
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日経デジタルヘルス
 医療分野では今、多くの技術イノベーションが進んでいる。内視鏡手術の分野も、その一つだ。患者にやさしい手術を手助けするため、さまざまな技術の活用が盛んになってきた。医療イノベーションの一端を、内視鏡手術の分野から見ていく。

患者への負担が大きい開腹手術に代わり、外科用内視鏡(硬性内視鏡)を用いた内視鏡手術の比率が急速に高まっている(図1)。低侵襲化(手術・検査による痛みや出血などをできるだけ低減すること)という大きな医療トレンドを背景に、この傾向は、今後ますます加速するだろう。

図1 外科用内視鏡の市場規模(台数)を示した。2011年の実績に対して、2014年には約2倍の規模になる見込み。(図:ソニーの資料を基に日経デジタルヘルスが作成)

図1 外科用内視鏡の市場規模(台数)を示した。2011年の実績に対して、2014年には約2倍の規模になる見込み。(図:ソニーの資料を基に日経デジタルヘルスが作成)

図2 内視鏡手術を模型で再現した様子

図2 内視鏡手術を模型で再現した様子

この動きを支えているのが、技術によるイノベーションだ。特に、「映像技術」がその主役である。体内(患部)に入れたカメラの映像を見ながら手術する内視鏡手術は、そもそも映像技術を利用しなければ実施できないからだ(図2)。

2次元表示や精細度が低い映像を利用すると、奥行き感を把握しにくいという課題が生じる。そこで求められているのが、3次元(3D)表示や、4K(4000×2000画素級)などの高精細表示技術を活用し、リアリティーの高い可視化を実現することである。「内視鏡手術時に3D映像を利用すれば、縫合時の位置関係などが把握しやすくなるため、手術のスピードが速くなり、患者の負担も軽減できる」(ある医療機器メーカー)。

このような映像技術の外科用内視鏡分野での活用に関しては、大きく二つの動きがある。(1)内視鏡自体の3D化や高精細化、(2)3D化や高精細化した内視鏡で取得した画像を扱う周辺機器の開発――である。

■2015年には内視鏡の20%が3D

図3 MEDICAに展示された3D対応内視鏡の例

図3 MEDICAに展示された3D対応内視鏡の例

(1)の内視鏡自体の3D化や高精細化のうち、まず、3D化(3D対応内視鏡)の開発については、ここ数年大きな盛り上がりを見せている。3D対応内視鏡の実用化例は現時点ではまだ少ないものの、世界最大の医療機器展「MEDICA」などにおいても、さまざまな企業からの試作品の展示が相次いでいる(図3)。確実に今後の市場拡大が進む様相だ。

ソニーは、「2015年には外科用内視鏡の20%が3D対応になる」と見込む。同社が、2012年9月に設立を発表したオリンパスとの合弁会社「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」で開発・設計・販売・製造を手掛けると表明している機器の一つも、この3D対応内視鏡に他ならない。

ソニーは、こうした次世代型の内視鏡の市場は「2020年までに3300億円に成長する」と見込んでおり、20%以上のシェア確保を狙う考えだ。

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